いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

雑記

蹴球学

YouTuberのLeo the football著『蹴球学』を読了。 いつからかYouTubeで著者のサッカーの試合の解説動画を観るようになり、最初は高飛車な物言いが好きではなかったのだが、その的確な内容に徐々に興味を惹かれ、気づけばファンにまでなっていた。 彼はもとも…

読了ビジネス書リスト(2024.1Q)

今年もこの営みを続けていく。 2024年1月から3月で読んだビジネス書籍は以下である。★を付けたのは私が良書だと思った本だ。 ----- 経営を教える会社の経営(著:グロービス) コンサルティングの本質(著:太田一樹) ESG×リスクマネジメント(著:木村研悟…

冬の日誌/内面からの報告書

ポール・オースターの最新文庫を読了した。 以前、単行本を図書館から借りて読んでいたが、今回2冊が1冊になる形で文庫本として刊行されたので、購入して改めて読み返してみたのだ。 著者のこれまでの人生を、『冬の日誌』では「身体」にフォーカスし、『内…

映画BLUE GIANT

Amazonプライムで『BLUE GIANT』を鑑賞した。 前評判がすこぶる良かったので、原作は読んでいないがずっと観たいと思っていた。予想以上にプライム解禁が早かったので歓喜した。 やはりJAZZのライブシーンが最高であった。これは劇場で観たら堪らないだろう…

羊をめぐる冒険

村上春樹の『羊をめぐる冒険』を再読した。 それもかなり真剣めにだ。というのも、母親が村上春樹の最新作を読み面白かったというので、誕生日プレゼントとして今作を贈ったからである。 もともとは『騎士団長殺し』を贈ろうとしたのだが、上下巻という長さ…

読了ビジネス書リスト(2023.4Q)

今年ももう終わる。備忘録をまとめなければ。 そんなわけで、今年最後の四半期に読んだビジネス書を記しておきたいと思う。 2023年10月から12月で読んだビジネス書籍は以下である。★を付けたのは私が良書だと思った本だ。 ----- 替えがきかない人材になるた…

東京03 FROLIC A HOLIC feat. Creepy Nuts in 日本武道館

表記のBlu-rayが昨夜届き、本日鑑賞をしていた。 3ディスクのうち、まだ初日公演と舞台裏の特典映像しか見れていないのだが、現時点で大きな満足感を味わえている。 この公演、おそらく東京住まいなら生で観に行ったであろう。なんせ、出演者が私の好きなメ…

カズオイシグロ読み返し①

少し前からカズオイシグロ作品の読み返しを始めた。 彼の作品はすべて読了しているが、読む順番がばらばらだったため、改めて第一作から順を追って読み返したくなったのだ。きっかけは彼の作品のガイド本を読んだことだった。各作品の解説を読んでいると、実…

特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレイクスルー

カズオイシグロの講演を書き起こした『特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー』を読了。 この前まで、イシグロ作品についての書評やガイド本を読んでいたので、イシグロ自身の文章に触れたくなったのだ。この本は講演の書き起こしだが、彼が下…

読了ビジネス書リスト(2023.3Q)

また四半期が過ぎ去った。早いものだ。 そんなわけでコンサルに転職して以来、続けている四半期に一回の備忘録を書き記しておきたいと思う。 2023年7月から9月で読んだビジネス書籍は以下である。★を付けたのは私が良書だと思った本だ。 ----- 静かな人の戦…

カズオ・イシグロを読む

三村尚央の『カズオ・イシグロを読む』を読了した。カズオ・イシグロ作品について書かれた文学案内本と言う意味では、私にとっては三冊目に当たる本書。今作はその中でも最も直近に書かれた本で、最新作の『クララとお日さま』についても取り扱われている。 …

カズオ・イシグロ読本

別冊宝島編集部編『カズオ・イシグロ読本』読了。 カズオ・イシグロ作品について書かれた書評本だ。前回読んだものより後年に出されており、この本では『忘れられた巨人』までの紹介が載っている。 また作品紹介だけでなく、イシグロ自身の人物像や、イシグ…

カズオ・イシグロ 境界のない世界

平井杏子『カズオ・イシグロ境界のない世界』読了。 先日『クララとお日さま』を読み、イシグロ熱が再熱していたので、図書館で目にするままに借りて読んだ。10年以上前に書かれたイシグロ作品の書評本である。 当然ながら本書が書かれた時点の作品『夜想曲…

クララとお日さま

カズオ・イシグロの『クララとお日さま』を読了。 イシグロ作品は文庫本ですべて集めているので文庫化されるのを待っていた。思っていたより早く文庫化してくれて大変嬉しい。 帰省のお供として、妻の実家に滞在中に読み終えた。とても静謐で心ときめく読書…

月の満ち欠け

佐藤正午の『月の満ち欠け』を読了した。 直木賞をとり、映画化も話題となっていたので、気にはなっていた作品だ。もっといえば、出版された当時から、“岩波文庫的”な表紙が機知に富んでいて目を引かれていた。 とはいえ自分で購入するまでは惹かれず、図書…

アメリカン・マスターピース準古典篇

柴田元幸が手掛けたアンソロジー『アメリカン・マスターピース準古典篇』を読了した。感銘を受けた前作『古典篇』の続編である。アメリカ文学における名作小説ばかりがセレクションされており、それが年代順に並んでいるので、アメリカの文学史の流れも体感…

ミトンとふびん

吉本ばななの『ミトンとふびん』を読了した。 すこぶる評判が良かった本作。谷崎潤一郎賞までとったということで読みたくなったので、図書館で予約をし、長い期間待った後にやっと読むことができた。 綺麗な装丁と可愛らしいサイズ感で、所有欲がくすぐられ…

illustration 村上春樹と装丁 植物を描く

雑誌『illustration』の最新号を読了した。 初めて購入した雑誌だ。これまで存在も知らなかった。Amazonで村上春樹の本を検索していた際にオススメとして表示され、美しい表紙と興味ある特集テーマに惹かれ、予約注文するに至った。 お目当ての村上春樹の特…

【愛読書】アメリカン・マスターピース古典篇

柴田元幸がアメリカの名作中の名作を精選した短編集『アメリカン・マスターピース古典篇』を読了した。本作はシリーズものであり、待望の次作である『準古典篇』の発売決定を機に購読した。収録作のほとんどは様々な媒体で読んだことがある作品だったものの…

MONKEY vol.30 渾身の翻訳

柴田元幸監修の文芸誌『MONKEY』最新刊を読了。 刊行して30号記念として、編集長を務める柴田元幸がそのほとんどを翻訳し、しかも巻末には村上春樹によるカポーティの訳文と、著者についてのインタビューが掲載されているとあって、迷わずに購入した。 全編…

読了ビジネス書リスト(2023.2Q)

また四半期が過ぎ去った。恒例の備忘録を記す。 2023年4月から6月で読んだビジネス書籍は以下である。★を付けたのは私が良書だと思った本だ。 ----- ビジネススクールで身につけるファイナンス×事業数値化力(著:大津広一) 中堅・中小企業のためのDX(著:…

アホウドリの迷信

柴田元幸と岸本佐知子の『アホウドリの迷信』読了。好きな訳者ふたりのアンソロジーだったので発売当時から気にはなっていたのだが、その頃は図書館で本を大量に借りて読み漁るというモードに入っていたので、読むまでにこんなに間が空いてしまった。 テレビ…

街とその不確かな壁

村上春樹の『街とその不確かな壁』を読了した。発売日に購入し、味わいながらにちびちびと読み進めた。度数の高いウイスキーをゆっくりと流し込むように。そのようなお酒は飲んだことはないのだけど。 冒頭から一気に引き込まれ、村上の新作長篇を読める喜び…

カズオ・イシグロ文学白熱教室

昼休憩時に表題のDVDを鑑賞した。 先日たまたま図書館で見つけて借りたものだ。面白くなかったら途中で切り上げようとも思っていたのだが、イシグロの話が面白く、結局(少し休憩時間を延長する形で)最後まで見通してしまった。 同じく世界的な作家である村…

読了ビジネス書リスト(2023.1Q)

早いもので、転職して1年が経とうとしている。 その転職以来続けている四半期恒例の備忘録だ。2023年1月から3月で読んだビジネス書籍は以下である。★を付けたのは私が良書だと思った本だ。 ----- エコシステム・ディスラプション(著:ロン・アドナー) 言葉…

蝙蝠か燕か

西村賢太の『蝙蝠か燕か』を読了した。 作者の没後、追悼するように出版された近年の未収録作版集だ。生前、最後に書き終えたという短編作品(遺作は未完であった)も収録されている。 作者の急死に伴い、話題先行で出された本という印象だったのであまり期…

雨滴は続く

西村賢太の遺作『雨滴は続く』を読了した。 作者史上おそらく最長の作品。その執筆途中で逝去されたゆえに未完となっている。最後まで書かれたらどれほどの厚さになっていたのだろう。 物語は終盤には差し掛かった辺りで止まっているが、おそらくはここから…

瓦礫の死角

西村賢太の『瓦礫の死角』を読了した。 これまで著者の作品をほぼ連続して読んできたが、なかなか本作は一冊としての読み応えがよかった。 著者の投影である主人公の17歳時代の連作と、作家となった近年における一幕らが収録されており、そのバランスも良か…

羅針盤は壊れても

西村賢太の『羅針盤は壊れても』を読了した。 著者拘りのレトロ仕様で、定価3000円もする本書。現在はプレミア価格になっているようだが、図書館で借りて読んだ。なんだか得した気持ち。 さて、内容の方はいつもながらに面白かった。20代前半のバイト話と、…

夜更けの川に落葉は流れて

西村賢太の『夜更けの川に落葉は流れて』読了。 著者の作品も、小説の方は残りわずかになってきた。彼の死後も追悼の意味合いでいくつかの新刊が世に出てきたが、それも限りはあるだろう。寂しい限りだ。 さて、本作では20代前半の貫多が(巻末に少し50間際…