いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

あなたには帰る家がある

昨日の夕食時、妻と一緒にドラマの録画を観た。『あなたには帰る家がある』の第6話だ。

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中谷美紀玉木宏が主演のこのドラマは、2組の夫婦における破壊と再生(おそらく)を描いた物語だ。所謂、近年流行りの『不倫系ドラマ』ではあるのだが、全体的にコミカルなタッチで描かれテンポもよいため、とても観やすいのが特徴だ。

 

私たち夫婦はこのドラマを毎週録画で観ている。いつも夕食時に再生して、何気なく観始めるのだが、気がつけば食い入るように画面を見つめ、繰り広げられる展開に息を飲んでいる。

 

特に妻の方が真剣に見ていて、ご飯を食べ終わるとテレビの前に座り込んでしまう。ドラマは基本的に夫(玉木宏)に浮気をされた妻(中谷美紀)目線で描かれることが多いので、とても感情移入しやすいのだろう。

 

そして私の方はというと、妻に対して一切ヤマシイ事はないにも関わらず、このドラマを観ている時はもの凄く肩身の狭い気持ちになってしまう。

 

ドラマで出てくる夫たち(玉木宏、ユースケサンタマリア)がダメダメな行動をするたびに、妻に対してなんだか申し訳ない気持ちになってしまうのだ。そんな義理はないにもかかわらず、世の中の夫を代表して全国の妻に向け深々と謝罪したくなってしまう。

 

そんな不思議な罪悪感を抱きながらも、やはり物語が面白いので私もしっかりと観入ってしまう。そしてどうしても、“自分がこの立場だったら”という目線でも、主人公達の心情を追ってしまうのだ。

 

妻はこのドラマを観ながら、「もし私がこんな風に不倫されたら」という枕詞をつけ、いくつもの恐ろしい言葉を私に投げかけてくる。そして私はそれを聞きながら、この妻なら本当にやりかねないなと、そのたび肝を冷やすことになるのだ。

 

妻は基本的に癒やし系で普段は穏やかなのだが、とにかくメリハリがしっかりしていて、キッチリしなければならないところは、何が何でもキッチリするという性格の持ち主だ。

 

そして彼女は何よりも、私たち家族のことを第一に考えてくれている。それゆえに、それを壊す者があれば(例えそれが家族の一員であろうと)容赦はしないであろう。非情なまでに冷酷な宣告を告げる妻の姿が、私にはありありと想像できてしまう。

 

私としては、もちろん浮気や不倫なんてするつもりは毛頭ないのだが、そんな妻のこと、そしてそれによって崩れ去る現在の幸せな生活のことを想像すると、更にその身が引き締まる思いになる。

 

当然だが、もし不倫をするのであれば死を覚悟してやらねばなるまい。そしてもちろん、そんな覚悟をしてまでするべき不倫なんて、この世の中にあるわけがないのだ。

 

私には帰る家がある。その幸せを、私はこのドラマを観るたびに噛み締めている。

 

家族の大切さ、そしてそれが崩れ去る恐怖を、主人公たちに自分を重ね合わせ疑似体験をさせてもらいながら、改めて身を引き締める。

 

ドラマも終盤に近づき、今後の展開も非常に楽しみだ。来週も正座をしながら、妻の顔色をびくびく伺いながら、観ることにしよう。