いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

クリスマスパーティと転職の話

昨日は会社の同期家族とクリスマスパーティをした。

 

場所は主催者のタワーマンションにおけるパーティルーム。宅配ピザや寿司を注文し、ケーキやお酒を買って集まった。テーブルにはお手製のピクルスや、色合い豊かなサラダなども並べられた。

 

参加者はいつもの仲良し4家族。そのうち2家族は子ども連れだ。我が家が2歳の女の子、もう1組は来月で1歳になる男の子。久しぶりに皆で集まったこともあり、わいわいがやがや楽しい会食となった。

 

途中、主催者から発表があり、来年子どもが生まれることが明かされた。これで来年は3家族が子ども連れとなるだろう。さらに騒がしい楽しい会になるに違いない。

 

昼食パーティが終わると、主催者の住居へと移動した。15階の部屋。都心部に位置するその窓からは、大阪の全てが見渡せるようだった。

 

私たち男どもはリビングに集まり、懐かしのゲーム『桃鉄』をやりはじめた。その間、妻達はダイニングの椅子に座り、女子トーク。あとから聞いた話では、家事のこと、出産のこと、子どものこと、旦那とのこと等、いろんな話をしていたらしい。

 

私たちは2つのコントローラーを順番に回しながら、桃鉄をやり続けた。その間、いろいろと話をしたのだが、そのほとんどが目の前のゲームの話だった。

 

私はぼんやりとゲームを進めながら、ひとつのことが気になっていた。ゲームをはじめる直前、特に親しくしているメンバーから「近々、転職するかもしれない」との話を聞いたからだ。

 

どうやら先月、転職活動をして内定をもらったらしい。外資系の人事コンサルタント。会社名までは聞かなかったが、業界では知る人ぞ知る立派な会社らしい。なんでも年収は今より200万円ほどアップするのだとか。

 

ただ、本人は今迷っているようだった。というか、内定が貰えたからこそ、やっと「今の会社に残るか」「新しい会社に行くか」という2択を、現実問題として考えられるようになったらしい。

 

「男1人の収入で家族を養えるようになりたい」先に転職した先輩がそのような理由だったらしく、彼はそれに影響を受けたらしい。要するにお金をもっと稼ぎたい、それが転職の理由だ。

 

我が家は既に私だけの収入で家族を養えているので、うちの会社でもそれは実現できる。だからきっと彼が言っているのは「現在の共働きでの贅沢な暮らしを1人の収入でまかなえるようになりたい」という意味だろう。

 

たしかに彼ら夫妻はオシャレさんなので、とにかく服や家具などにお金がかかっていそうなのだ。パーティでの話を聞いていると、新婚生活で買いそろえた家電等も高そうなものばかりだった。

 

外資系コンサル。年収アップ。転職。私は彼の話を聞いて、その魅力的な響きに心くすぐられた。もちろん自分は転職するつもりなんて毛頭無いのだが、よりよい生活を夢見て新たな一歩を踏みだそうとする彼が、とてもキラキラして見えたのだ。

 

ただそんな彼は、まだ転職するかどうかを本気で悩んでいるようだ。いかんせん今の会社も名の知れた大企業。その安定感とブランド名を簡単に手放してしまって本当によいのだろうか。そこに迷いが生じているらしい。

 

なんだか“しょうもない悩み”に聞こえてしまうかもしれないが、実際に転職するとなったら誰でも悩むのではないだろうか。彼のように、やりたいこと云々ではない転職だとしたら尚更だろう。

 

私はその場においては、とにかく当たり障りのないことしか言えなかった。「最後は自分で選択するしかないよ」とか、そんなことだ。ただ桃鉄をやりながら、そのことをもやもやと考え続けていた。

 

夜になり、私たちは解散した。ただ家に帰ったあとも、彼の転職のことが気になったのでLINEを送ってみた。今度ふたりで飲みにいって、ゆっくりと話そうよ、と。

 

すると今朝になり返信が返ってきた。来週末に是非とも行こうと。きっと彼も、話を聞いて背中を押してほしいのだろう。もし彼の頭の整理に少しでも役立てるのだとしたら、それは私にとっても嬉しいことだ。

 

彼がどちらの道を選んだとしても、私は彼を応援したい。そしてどこにいっても、彼との友情を終わらせたくはない。それだけは今でも決まっている私の気持ちだ。