いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

人形遊び

娘はよく人形遊びをする。昨日も家の中で遊んでいた。

 

連れていたのは、チャーリーブラウン、ステラちゃん、マイメロちゃん、トトロの4人。紙袋に入れたり、抱きかかえたりしながら、彼らをいろんなところへ連れ回していた。

 

すべり台から滑らせたり、ジャングルジムに上らせたり。ぬいぐるみ達に話しかけながら、娘は長いこと遊んでいた。また廊下にでて、電気もつけていない他の部屋にも連れて行っているようだった。

 

暗い寝室に入る際、娘のこんな言葉が聞こえた。

 

「くらいね・・・でも、だいじょうぶ、ここにいる」

 

きっと怯えるぬいぐるみ達を勇気づけていたのだろう。暗いけど、私が一緒にいるから恐くないよ、と。

 

実はこれ、数ヶ月前までは私たちが娘にかけていた言葉だった。娘が恐がるとき、お風呂で髪を洗うとき等に使っていた。そんなとき娘は、私たちの手をぎゅっと握り、おまじないのようにこの言葉をつぶやいたものだ。

 

ただ、もうすっかり、娘は励ましてあげる側になったようだ。そう思うと感慨深い。そして、その言葉をぬいぐるみ達に使ってあげるということは、それだけ勇気づけられる言葉だったということだろう。

 

娘が人形遊びをしているのを見るのは楽しい。いつもふいに始まるので、気づいたら妻にも教え、ふたりで静かに娘の様子を見守っている。

 

私たちが使う言い回しも数多く登場して、「あぁ、ちゃんと意味を理解してくれていたんだな」と嬉しい確認もとることができる。

 

最近、娘と一緒に『トイストーリー』の映画を観ることが多いので、ついついぬいぐるみ達の心境を想像してしまう。彼らにとっても、娘はおそらくは最高の主人なのではないだろうか。

 

娘とたくさん遊んであげてね。心の中でそう呟くと、彼らが優しく頷いてくれたような、そんな気がした。