いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

芽ぐむ言葉たち

娘の発する言葉は日に日に増えていく。久しぶりに、お気に入りの言葉たちをここに書き留めておきたい。

 

「びっくりしちゃった」

 

娘が固まるほど驚いた後に発せられる言葉だ。昨日は誤ってお茶の入ったコップをひっくり返した後に使われた。私に抱きかかえられながら、娘は何度もこの言葉を繰り返していた。そして「ここに、こぼしちゃったの」と、その理由までをいじらしく説明してくれるのであった。言われるたび、強く抱きしめてしまう言葉だ。

 

「まったくぅ」

 

学級委員のような世話焼き女子街道をまっしぐらな娘。そんな彼女が最近、私に対してよく使う言葉だ。イタズラをされたときなどに呆れて言う。昨日は私がふいに隠れんぼを発動させ、扉の後ろに隠れていたら、「まったくぅ、ここにいたのぉ?」と、両手を腰に当てた娘がやってきた。言われるたび、私はきゅんとしてしまう。

 

「やめとこ?」

 

少し前まで「やろう」ばかりの娘だったが、最近ではこのように「やめよう」とも言うようになった。昨日は寝る前にベッドの上で家族3人じゃれていると、妻と私が交錯し、私が痛がる場面があった。そのとき娘は「ぱぱいたがってるから、やめとこ?」と両手を妻に突き出し、制するように言ってくれたのである。嬉しかった。

 

「つかまえた、もうはなさない」

 

ベッドの上で拘束ごっこ(私が娘の身体をロックし、そこから娘がパンチ等を駆使して抜け出す遊び)をしたときに、私の真似をして習得したのであろう言葉だ。昨日は寝る際に妻の腕を抱きしめながらこの言葉を発し、妻をキュンキュンさせていた。なんてロマンチックな使い方だ。他の男の子などには、絶対に使わないで欲しい。

 

これからも娘の言葉はさらに増え、そして一部の言葉はもっと大人びた言い方に変わっていくのだろう。

 

この時期ならではの言い方を、めいいっぱい慈しもう。