いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

小さなレディ

最近、娘は自分より年上の子を見ると「おにいちゃん」「おねえちゃん」と呼ぶようになった。そして明らかに年下の子を見ると「あかちゃん」と言って可愛がる。

 

そんな彼女に、どっちになりたい?という質問をしてみたことがある。「おねえちゃんになりたい」という回答が返ってきた。おそらくは、おねえちゃんになれば自転車やアトラクションに乗れて、楽しそうだからだろう。

 

そんなわけで、娘はおねえちゃんに憧れているのだが、かたや最近では赤ちゃんのマネもするようになった。語尾に「ばぶばーぶ」をつけて甘えてくるのだ。私はその可愛らしい“赤ちゃんごっこ”が大好きで、娘が発動するよう、なにかにつけて誘導しようとしていた。

 

昨夜もお風呂あがり、彼女の身体を拭いてあげているときに、「ばぶばーぶ」と言う語尾で娘に話しかけた。そうすることで、娘も乗って赤ちゃんごっこが始まることが多いのだ。しかし、このときの娘は違った。

 

「○○ちゃんは、おねえちゃんなの!」

 

語気を荒げて、少し怒っているようにも感じた。思えばその直前、お風呂の中でとある“お利口さんな行動”をとったことで、妻から「お姉さんになるんだもんねぇ」と褒められたばかりだったのだ。そんなときに、私から“赤ちゃん扱い”されたのが不服だったのだろう。

 

そうだとしても、娘がそんなに怒るとは少し驚いた。

 

女の子は、中高生くらいになれば少し大人に思われたくて、大人になれば若いと思われたい、という一般常識は私も心得ていたのだが、これくらい小さなときにおいてもある程度、自分の見られ方への拘りがあるみたいだ。

 

ただ、今回の件は私があまりにもデリカシーがなさ過ぎただろう。娘といえども、小さなレディなのだ。

 

それに、いつまでも赤ちゃんでいて欲しいのは、親のエゴだ。本当の赤ちゃんは「ばぶばぶ」なんて言わない。