いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

舞台女優

金曜の夜は華やかに舞いたい気持ちになる。

 

その爽やかな旋風は娘をも巻き込み、いつしか家の中には陽気な雰囲気が形成される。昨日の夜もそうだった。

 

私はその開放感から伸び伸びと踊った。比喩ではなく実際に。娘が見ていたライオンキングの挿入歌に乗せて。だって今週末は3連休だよ?踊らにゃ損、損、損の損。

 

娘も一緒になって踊る。いやもう既に踊っていた。ライオンキングを何度と繰り返し観ている娘は、歌を口ずさみながら画面上のアクションを再現してみせる。

 

彼女なりの配役があるらしく、小さいシンバは自分が担い、大人のライオンたちは私に演じさせた。

 

そしていつしか我々の演技は、歌が流れるミュージカル以外のシーンにまで及んでいった。中でもシンバの父であるムファサと死別するシーンは見ものだった。

 

物悲しげな表情で四つん這いの体勢で近づいてくるシンバ(娘)。ムファサ(私)は冷たい地面に横たわりピクリとも動かない。シンバは自身の顔をムファサの顔に擦りよせ、小さな声で「とうさん・・・」と呟く。

 

その後、辺りを見回しながら大声で叫ぶ。「だれかぁ」「たすけて」。映像とシンクロした完璧な演技だった。私と妻は盛大に拍手した。将来めざすは劇団四季かな。