いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

寝かしつけ

週末における娘の寝かしつけは私の務めだ。

 

平日は残業などがあるとその役が担えないからである。先月からはじめた『9時就寝』の習慣もすっかりと定着し、娘の生活リズムもだいぶ安定したものとなった。

 

寝かしつけの際、寝室に入ると鍵をしめ、まずは電気を消す。しばらくはまだ寝たくないと娘がわめくのだが、ひと泣きすると諦め、今度は私とじゃれはじめる。仰向けの私の上に乗っかってきたり、両足をレールにしてコロコロと転がったり。笑い声をあげ、楽しんでいる。

 

その後には、だいたいお決まりのパターンがやってくる。娘がアレしようよ、と提案してくるのだ。私は言われるがままに、彼女を腕まくらして、抱き寄せるような形で腕を組む。恋人同士の抱っこのようなその状態が、どうやら娘は気に入ったようなのだ。

 

近距離に顔がある状態で、私たちはたまに目を開け、微笑みを交わす。ときには私の頬を撫で、鼻にチュッとしてくれることもある。娘は大好きなぬいぐるみを抱っこしているかのような穏やかな表情を浮かべ、それを包みこむ私も心に安らぎを感じている。

 

そのままの状態で眠りについてくれたならどんなにいいか。しかし、当然ながらそううまくはいかない。しばらくすると娘はその体勢にも飽きはじめ、もぞもぞと私の腕から抜け出す。そしてふたたびベッドの上を転がりはじめ、起きあがってみたり、ベッドを降りてみたり。娘にとっての、眠りへの最後の抵抗が始まるのであった。

 

しかし昨日は日中、妻のテニスの試合を応援に行き、そこで公園遊びをたっぷりとしていたので、40分ほどで眠りについてくれた。私は静かになった寝室でひとり起き上がり、ゆっくりと寝室を抜けだし、妻の待つリビングへと向かうのであった。

 

三人一緒に寝るよりも、大人一人がマンツーマンで寝かしつけた方が早く寝てくれる。パパママ・ジャグリングをして交互に構ってもらう作戦が使えないからだろう。

 

寝かしつけは確かに大変だけど、娘と親密な時間が過ごせるので、私にとっては幸せなひとときだ。疲れているときなどは、私の方が先に寝てしまうのだけれど。