いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

へそを曲げる

娘はしばしばへそを曲げる。特に私に対してはそうだ。

 

昨夜もふたりで寝室に籠もり寝かしつけをしていると、へそを曲げられる場面があった。ここ最近の朝方の寒さに備え、妻が押し入れから出してくれていた薄手の羽毛布団、それにくるまってじゃれ合っていたときだ。

 

私は布団の上に寝そべった彼女に、布団の片側をぶわっと被せた。彼女はきゃっきゃと笑っていたのだが、それをめくると娘のふくれっ面が現れた。おそらく、本当に不機嫌になっているわけではなく、何かにつけ“へそを曲げる”きっかけを狙っていたのだろう。

 

「もぅ、○○ちゃん、このままでっていったのに・・」

「だめだしょ!」

「ぱぱ、ひどい・・」

「○○ちゃん、かなしい・・」

「ぱぱ、もうしらない!」

 

そのような辛辣な連打を、うつむき気味に、目線を合わさずに、私に対して浴びせてくるのだった。半分は演技で、ただ困らせたいだけだということはわかっているのだが、娘から嫌われたくない父親心は揺さぶられ、ついつい私は本気で謝ってしまうのだった。

 

ちなみにこの手の“へそ曲げ”は、娘は私にしか使わない。ママにやったところで効果は薄いと、経験則から学んでいるのだろう。この手の演技は異性にしか通用しない。娘は3歳にして、甘えどころとその相手を、しっかりと理解しているようだ。

 

女の子はすごいなぁ。既にいいように転がされている。そういえば、男の子はどうなんだろう。パパとママが逆転する形になるのだろうか。少しだけ興味が沸いた。