いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

人に頼る

娘は3歳にして「人に頼る」ことを習得している。

 

昨夜家に帰ると、娘は食卓で粘土をして遊んでいた。そしてもうすぐ夕食を並べるので、それを片付けるようママから言われたようだった。娘はとことこと私のもとに近寄ってきて、こう言った。

 

「ぱぱ、むっかしいから、てつらって」

 

私は娘と一緒に食卓に行った。

 

「これ、ねんどおかたつけするの」

「○○ちゃんには、むっかしいの」

「ぱぱ、おねがい、てつらって」

 

そういって困った顔をつくる娘。私は彼女に言われるがままに粘土を箱にしまった。最後、箱をゴムでとめるところは「こうするんだよ」と娘が教えてくれた。

 

その後は粘土の箱を、おもちゃ箱へとしまいに行った。娘は「これは、ここだよ」といっていつもの場所に箱をしまう。それが終わると娘は妻の方へと駆けていった。

 

「○○ちゃん、ねんどのおかたつけできたよー」

 

娘はママにそう報告し、褒められていた。うまく人に頼って、成果をあげる。娘は将来、要領よく仕事が進められそうだなと、想像を巡らせてしまった。

 

妻の話では通っているプレ幼稚園でも、人に頼るのが誰よりも上手らしい。その日もオモチャの蓋が開けられなくて、先生に開けてもらっていたようだ。そんな風に先生を頼って話しかけるのは、娘以外にはいないらしい。

 

「ぱぱ、ありがとう!」

 

何かを手伝ってもらった後、娘は相手にお礼を言う。それをしっかりと忘れさえしなければ、きっとこれからも多くの協力を引き出せるだろう。たくさんの人に頼り、助けられながら、人生の荒波を越えて行ってほしいな。