いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

コスプレ

昨夜は娘にささやかなコスプレをさせてあげた。

 

ハロウィンを意識してのことだ。妻がそれように娘の衣装を買ってきてくれた。お化けやゾンビなどではなく、可愛いプリンセスのコスチュームだ。

 

それを店で試着した際、娘は鏡に映る自分の姿に夢見心地の表情を浮かべていたらしい。三歳だって娘も女の子。女子は誰もがプリンセスに憧れるものなのだろう。

 

そんなわけで、お風呂に入ってからその衣装を着させた。レースのスカートと頭に乗せるティアラ、そして魔法のステッキだ。妻の言う通り、娘はそれを身につけ鏡の前に立つと、ぽわーっとした恍惚の表情を浮かべた。

 

仮装用アイテムには、もうひとつユニコーンのカチューシャがあった。私はそれを頭につけ、四つん這いになった。そして魔法使いのプリンセスを背に乗せ、彼女の意のままにリビングの中を駆け回った。

 

娘は魔法ステッキでオモチャたちに魔法をかけていた。「ちちんぷいぷいのぷーい」という可愛い掛け声で。時代が変わっても魔法の呪文は変わらないものである。

 

ただ、ワガママな我が家のプリンセスは、そのまま遊びに夢中になって、お利口に夕食を食べてくれなかった。お陰でその後に予定していたハロウィン的な催しは出来ずじまいで、明くる日へと持ち越しになってしまった。

 

果たして今日は言うことを聞いてくれるだろうか。お利口にさせる魔法があれば、是非とも習得したいものだ。