いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

奈良観光

昨日は会社を休んで奈良に行ってきた。

 

妻側のじいじとばあばも連れての観光だ。電車を乗り継ぎ一時間ほどかけて奈良に到着した。

 

近鉄奈良駅を降り、しばし歩くと奈良公園が見えてきた。久しぶりに来たが、やはりここは気持ちがいい。道は広々としているし自然に富んでいる。私は京都よりも奈良が好きだ。

 

風は冷たかったが空は快晴だった。公園の中をぶらぶらと散策していると、ぽつぽつと鹿の姿が見えてきた。娘をベビーカーから降ろし、一緒になって近寄っていく。

 

娘は怖がるだろうなと予想していたのだが、私が頭を撫でてみせると、勇敢にも娘も手を伸ばし、自分よりも大きい鹿の背中あたりを撫でていた。

 

それで要領を得た娘は、その後鹿を見つけるたびにぐいぐいと近づいていき、背中を撫でようと張り切っていた。しかし鹿の方はそんな娘を警戒したのだろう、特に若い子鹿たちは娘に威嚇するような素振りも見せ、私たち大人をひやひやとさせていた。

 

餌やりをやっている人たちに気づくと、娘も餌やりがしたいと言ってきた。私は鹿煎餅を買い、娘に渡そうとした。しかし、購入したところを見ていた数匹の鹿達に一気に囲まれ、早々に半分の煎餅を奪われてしまった。

 

その後は少し距離をとり、娘にも煎餅を手渡し餌やりを試みた。しかし迫ってくる鹿達の圧に意気地を砕かれ、逃げる後ろ手で餌を放り投げるのがやっとだった。娘も同様で、餌はあっという間に鹿達の胃袋へと収まった。娘は「すこしだけ、こわかった」と感想を言っていた。

 

そんな鹿とのふれあいの後は、じいじとばあばの為に正倉院展へと向かった。なんでも令和初となる今回は例年にも増して良質な国宝が展示されているらしい。来場者の数も多く、平日にも関わらず長蛇の列が出来ていた。

 

感想は語るまい。国宝の有り難みなんぞや理解できない虚け者の私にとっては、「正倉院の国宝を見た」という既成事実を手に入れたに過ぎなかった。

 

その後は出店で昼食を買って食べ、東大寺あたりを散策した。巨大な木造建築は近くで見ると迫力があり、初めて見たわけでもないのに小さな感動を覚えた。

 

娘は相変わらず鹿たちと戯れ、背の高い松の木の傍らで石畳の路地を元気よく闊歩していた。

f:id:pto6:20191106074241j:image

帰りの電車では、みんな疲れ果て眠っていた。新大阪では、九州に帰るじいじとばあばと別れ、ついに私たちのイベントづくしの四連休が幕を閉じた。


疲れたけど良い思い出がいくつもできた。今日から日常に戻るのに苦労しそうだが、写真を見返し頑張ろう。