いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

最強のスクラム

昨日はヘトヘトで帰宅した。年末だからこそ言えることだが、2018年でもっとも仕事が忙しい日だった。

 

家に帰り着くと、その疲労感と妙なワーカーズ・ハイで、とにかく不安定なテンションだった。妻と娘はいつものように向かえてくれたのだが、私の反応はとにかく薄かったように思う。

 

それでも辛抱強く話しかけてくれる妻と、何もわからずじゃれてくる娘に押され、一緒にお風呂に入った。すると、いつもの如く徐々に頭が『家族モード』に切り替わっていく。お風呂をあがるときにはいつものパパの顔が現れていた。

 

その後、ひとりで遅めの夕食を済ませると、すっかり仕事のことなんて頭から飛び去っていた。帰り道、あれだけ翌日の段取りやするべきことの整理に追われていた頭は、今や目の前の家族一色になっている。

 

脳みそって不思議なものだ。ものの数十分でここまで切り替えられるなんて。

 

リビングで家族団らんをした後は、皆で歯磨きをし、寝室へと向かった。暖房の効いた暖かい部屋で、ベッドにごろりと横たわる。

 

なんだかそんな気分になったので、私は両腕を広げ、妻と娘を呼んだ。彼女らはそれを見ると、微笑みを浮かべながら私の元へと飛び込んでくる。

 

愛しの2人を両腕に抱き、「これぞ合法的ハーレム」と幸せを口にしながら、3人で頭をくっつけ見つめ合い、笑い合った。がっしりと組み合ったその姿は、まるでラグビースクラムみたいだった。


娘も私たちの顔をまじまじと見つめながら、満足そうに微笑んでいる。私と妻は、そんな娘の笑顔を目を細めて見つめ返した。

 

「なんだか、こうしていると最強に思える」

「わかる、なんにも恐くないよね」

 

そんな会話をしながら、私たちはよりしっかりと互いを引き寄せあった。

 

そのとき、私たちはその次元において、最強の集合体だったに違いない。