昨日、朝日新聞が『平成の30冊』を発表した。
ランキングは以下のとおりだ。
- 1位「1Q84」(村上春樹、2009年)
- 2位「わたしを離さないで」(カズオ・イシグロ、2006年)
- 3位「告白」(町田康、2005)
- 4位「火車」(宮部みゆき、1992)
- 4位「OUT」(桐野夏生、1997)
- 4位「観光客の哲学」(東浩紀、2017)
- 7位「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド、2000)
- 8位「博士の愛した数式」(小川洋子、2003)
- 9位「〈民主〉と〈愛国〉」(小熊英二、2002)
- 10位「ねじまき鳥クロニクル」(村上春樹、1994)
- 11位「磁力と重力の発見」(山本義隆、2003)
- 11位「コンビニ人間」(村田沙耶香、2016)
- 13位「昭和の劇」(笠原和夫ほか、2002)
- 13位「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一、2007)
- 15位「新しい中世」(田中明彦、1996)
- 15位「大・水滸伝シリーズ」(北方謙三、2000)
- 15位「トランスクリティーク」(柄谷行人、2001)
- 15位「献灯使」(多和田葉子、2014)
- 15位「中央銀行」(白川方明2018)
- 20位「マークスの山」(高村薫1993)
- 20位「キメラ」(山室信一、1993)
- 20位「もの食う人びと」(辺見庸、1994)
- 20位「西行花伝」(辻邦生、1995)
- 20位「蒼穹の昴」(浅田次郎、1996)
- 20位「日本の経済格差」(橘木俊詔、1998)
- 20位「チェルノブイリの祈り」(スベトラーナ・アレクシエービッチ、1998)
- 20位「逝きし世の面影」(渡辺京二、1998)
- 20位「昭和史 1926-1945」(半藤一利、2004)
- 20位「反貧困」(湯浅誠、2008)
- 20位「東京プリズン」(赤坂真理、2012)
読んだことのある本はこの内わずか6冊だった。改めて自分の読書の偏りを感じさせられた。まぁ、直すつもりもないのだが。
1位は村上春樹と聞き、最初は少し意外に感じた。しかしよくよく考えてもみれば納得である。「平成時代は『村上春樹の時代』でもあった」ともコメントされているが、まさにその通りだと思った。
かく言う私も、今は通勤中に『騎士団長殺し』の文庫本を読んでいる。確かに振り返ってみれば、毎年何かしらの村上作品を読んでいたような気がする。
『1Q84』も当然読んだのだが、普段は読書をしない兄の家の本棚にも並べられていたのが印象的だった。それだけ一般層にも話題になった本なのだろう。(結局兄はBOOK1だけで挫折していたようだが・・)
2位のカズオ・イシグロ『わたしを離さないで』も私の大好きな本だ。こちらは今も本棚の“一軍棚”に堂々と並べられている。読んでいると感情が揺さぶられる、非常にパワーをもった小説だ。
読み出すとしっとりと悲しい気持ちになるので、読み返すのには少し気合がいるのだが、またいずれ読み返したいなと思っている。
3位の町田康『告白』については、読んだことがない。が、今回の件で少し興味を惹かれたので、いつかタイミングがあれば読んでみたいなと思った。
それにしても、こういったランキングものはやはり楽しい。あくまで参考程度にしか捉えないのだが、自分の好きな作品が世間からどのような評価を受けているのか、という点には興味を持つ。
平成が終わるにあたり、これからもこのようなランキングは色々と出てきそうだ。音楽や本や映画など、自分が興味のある分野は大歓迎なので楽しみにしたい。
そしてこういうのがある度、ひっそりと、自分ならどんな本を選ぶだろうかと遊び始めるのであった。悩むな。