いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

革命のファンファーレ/新世界

西野亮廣の『革命のファンファーレ』と『新世界』を読了した。仲の良い友人から借りた本だ。
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その友人は、この春うちの会社から外資系コンサル会社へと転職した。聞けば、なかなかの西野ファンらしい。私も西野に対しては多少なりとも興味を持っていたので、このたび勧められるがままに読んでみた。

 

感想を言うと、なかなかに刺激的だった。どちらも数時間で一気に読み終えてしまった。彼がいまやひとつのブランドとなり、確固とした地位を築いている理由がわかるような気がした。時代の流れを読み、常に考え、誰よりも行動し、独自の波を作っている。

 

しかもそこで生み出されるアイデアたちは、奇抜なものでもないのだ。どれも仮説と実証に基づいたロジカルな発想ばかりなのである。定量的な結果も出しているので、説得力も具わっている。これだけ結果を出していたら、彼を頭ごなしに否定することは難しいだろう。

 

意外と(と言うと少し失礼なのかもしれないが)書かれている文章も読みやすく、好印象を受けた。芸人ならではのユーモアも端々に散りばめられており、何度かくすりとさせられてしまった。

 

『革命のファンファーレ』を先に読んだので、そちらの方がインパクトが大きかった。『新世界』はほとんどがその内容のおさらいと、説明の補強にあてられている。

 

「お金」よりも「信用」を貯める時代、「信用」を「お金」に替える装置がクラウドファンディングであり、オンラインサロンだ、という説明には納得感があった。

 

また、ダイレクト課金が生み出せる「人気」タレントと、ただ知られているだけの「認知」タレントは違う、という話も、芸能人ならではの視点で面白かった。

 

私も、テレビでよく見かける芸能人たちが成功している人たちだ、と安易に捉えていたので、この本を読んで、その見方が90度ばかりは変わったように思う。

 

そして最も感服したのは、西野のバイタリティの高さだ。これだけの地位を築いたのに、まだ新しいことへの挑戦を続けている。きっとそんな彼の貪欲な姿に、多くの人が手を差し伸べ、夢を託し投資しているのだろう。

 

私ならある程度の成功を手にしたら、ギアを弱めてしまいそうだ。まったりと家族と過ごしたり、好きな本を読んだり、文章を書いたり、悠々自適な方向にシフトしてしまうに違いない。

 

でもそうなれば「信用」は失われ「お金」は生み出せなくなってしまう。それを西野はわかっているのだろう。そしてなにより、まったりすることよりも、新しい方向に走りつづける方が、西野は“好き”なのだろう。

 

そして、そういうことが病的に“好き”だということが、西野が持っている一番の“才能”なのかもしれない。

 

とても真似できないし、目指す理想も違うのだが、それでも多くの刺激を受けることができた。自分だけでは読まなかったと思うので、貸してくれた友人には感謝だ。