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文学パパが綴るかけがえのない日常

柴田元幸と9人の作家たち

柴田元幸と9人の作家たち』を読了した。
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“ナイン・インタビューズ”と副題がついているとおり、世界的な作家たちとのインタビューが9つ収録されている。聞き手は、大好きな翻訳家である柴田元幸だ。

 

見開きの左側に英文、右側に日本語訳が書かれており、英語学習の教材としても使える。そろそろ英語を勉強し直したいなと思っていた私は、半年前にこの本を買い、これまでちびちびと読んでいた。

 

普通の英語教材だと継続ができないが、興味のある作家たちの言葉だと思うと、楽しく続けることができた。(読み終わるのに半年もかかってしまったが・・)

 

収録されている作家は以下9名である。

 

この本が英語教材としていいのは、インタビューの音源を聞けることだ。CDが付録されており、ダウンロードすればアプリでもリスニングができる。気が向いたときには、歩きながらイヤホンで英会話を聞いていた。耳が英語に慣れる上では、少しは役に立ったように思う。

 

またプロの翻訳家とあって、書かれている日本語訳が自然で美しい。教材でよくある直訳的なものではなく、小説の翻訳などと同様に、意味やニュアンスが正しく伝わるよう、絶妙なる翻訳が施されている。

 

会話の中に出てくる固有名詞(作品名や人物名)等には丁寧な注釈も付けられており、その作家のことを知らなくても、インタビューを楽しめるよう工夫されている。

 

私も全員をもともと知っていたわけではなかったが、どのインタビューも読んでいて楽しめた。でもやはり、もっとも興味深く読めたものはと言えば、『カズオ・イシグロ』『ポール・オースター』『村上春樹』で、大好きな作家たちのものだった。(村上は全文日本語)

 

とりあえずひと通り読み終わり、楽しめたが、英語力が上がったかと言われれば、まだまだ十分ではなく感じている。この本を読み返しながら、そして音源を繰り返し聞きながら、引き続き活用していきたいと思う。


単なる英語学習のためだけではなく、興味のある内容だからこそ無理なく継続して読める気がしている。もしかしたら、文学関連の言葉に語彙が偏ってしまうかもしれないが、それはそれで望むところである。


楽しく読みながら、自然と英語力がつけばいいな。