家族がいる醍醐味は、お出迎えとお見送りで味わえる。
昨夜も会社から帰ると、娘と妻が玄関でお出迎えをしてくれた。妻が鍵を開け、それについてきた娘が「ぱぱ、ぱぱ!」と興奮を抑えられないように呟いていた。
そして娘は、靴を脱いだ私の両足を抱きしめこう言うのであった。私はその瞬間、家に帰ってきた喜びを感じると共に、幸せな気持ちが全身を包みこむのを実感した。
「ぱぱ、あいたかったよ」
朝のお見送りのときもそうだ。私が玄関へと向かうと、妻と娘が毎朝玄関までついてきてくれる。
いつも私が娘を抱き上げ、そのまま妻と三人でぎゅっとする。そして「いってきます」の後は、娘、妻とハイタッチを交わし、ドアが閉まりきるまで手を振り続ける。
「いってらっしゃい・・」
そう言い、手を振りながらも、娘の表情がどんどんと寂しい顔へと変わっていく。それを最後まで見つめていると、よし今日も頑張ろう、少しでも早く帰ってこよう、そんな気持ちが胸の中に沸きあがってくるのだった。
仕事のある平日は正直億劫だけど、このお出迎えとお見送りの瞬間だけは大好きだ。今日もまた、頑張るぞ。