いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

娘との戦い

娘のしつけに手こずっている。

 

昨夜も娘は夕食時、いつもと同様食べ終わる前から遊び始めた。私と妻は何度も注意したが、どれだけ言っても自分の席に座り夕食を食べようとしなかった。

 

妻の話では私がいる夕食のとき限定らしい。いつも私が根負けして、遊んでいる娘の口元までご飯を運び食べさせてあげていたからだろう。娘はそれゆえ、遊んでも食べさせて貰えるものだと、調子に乗ってしまったのだ。

 

このままではいかんと思い、昨夜は思い切ったことをしてみることにした。食べる素振りを見せない娘のご飯を、早々に机から引き上げたのだ。

 

娘はそれを見て焦った。いつものように食べさせてよと私に訴えた。しかし私は負けずに「椅子に座って自分で食べなさい」と言い続けた。妻も「そうじゃなきゃ食べなくていい」と加勢をする。

 

娘はついに泣き出した。しかしどうしても自分では食べようとしない。小一時間の戦いの末、結局、ご飯は食べられずに翌日の朝食へと回されることとなった。

 

そのあと娘はお菓子を食べたがったり、私と遊びたがったりしたが、「ご飯を食べてないからダメ」だと言って、冷たくあしらい続けた。すがるように身を寄せる娘にそっぽを向き続けるのには心が痛んだ。しかし娘を更生させなければ、彼女が恥をかくことになるのだ。

 

普段とは違う私の態度に娘は何度も泣いたが、途中からは、諦めたようにひとり遊びを開始した。私はやっと娘も反省したかなと思い、もうそろそろ明日に向けて優しい言葉もかけてあげようかと思いはじめていた。

 

そのとき、娘がお絵描きをしたものを持って、少し遠慮がちにこちらへとやってきた。私はその絵を見て微笑み、上手だね、と褒める言葉をかけてあげた。すると、娘は急に笑顔を浮かべ、こんなことを言うのであった。

 

「ぱぱ、すこしだけ、げんきでたの?」

 

いや、そうじゃなくて!娘には私が示す態度の意図が、まったく伝わっていなかったようだ。単に私が元気がないだけだと思われていたらしい。

 

そうであれば当然、反省なんてしていないだろう。しつけは本当に難しい。今夜も娘との戦いが必須である。