いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

安らぎの時間

妊婦は足にくるらしい。

 

それゆえ最近、寝る前に妻の足をマッサージすることが増えた。オイルを塗りふくらはぎの辺りを揉みほぐす。

 

その間、娘はリビングでテレビを観ているが、しばしば私を連れ出そうと寝室まで呼びに来る。妻は「少しだけよ」と言い、娘に私を“貸して”あげる。どちらからも引っ張りだこな状況に、ほくほくと幸せな気持ちを抱く。

 

ニュースによると、ここ大阪も21日には緊急事態宣言が解除されそうだ。それに伴い、今の在宅勤務形態も徐々に解かれていくだろう。そのことを妻と話しているとき、彼女は寂しさを口にしてくれた。

 

たしかに在宅勤務により、妻と過ごせる時間が増えた。朝食や昼食も一緒に食べられる。仕事も早く終わるので、娘がうまいこと昼寝したときなどには、お菓子を食べながら一緒にドラマを観たり、ゲームをしたり。

 

昼食が増える等、負担が増えている面もあるのだろうが、それでも在宅勤務が終わることを、妻が「寂しい」と表現してくれたことが、なんだか妙に嬉しかった。


ステイホームにより夫婦仲が悪くなる例もあるようだが、うちの場合は真逆だったようだ。一緒に安らぎの時間を共有できるパートナーがいることは幸せなことだ。家の中に押し込められている今だからこそ、尚更思う。

 

手に残るアロマの香りが、再び安らぎを運んでくる。