いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

いつでもママの味方

娘はいつだってママの味方だ。

 

そのため我が家ではしばしば2対1の構図が生まれる。妻が不満をもらすとすぐに娘も同調する。つまりは全ては妻が牛耳っていると言っても過言ではないのだ。

 

私と妻の意見が対立すると(例えば冷房を付けるかどうかで)妻はわざと潮らしく振る舞いだす。そして娘に向かってめそめそと言うのであった。「パパがひどいの」

 

それを聞くと娘はいきり立つ。私たちの間にすぐさま割って入り、持ち得る限りの怒りの表情をつくりあげる。鼻息を荒げ、ママが悲しんでるじゃない、言うとおりにしてあげて、と語気を強めて私に言うのであった。

 

私は娘には弱い。しぶしぶごめんと謝ると、娘はママを振り返り、その肩にそっと優しく手を乗せる。ママ、私がパパに言って聞かせたからね。そんなことを口にするのであった。すると妻は大仰にも娘を抱きしめ、感謝を告げるのが常だ。私に向かって小さく舌を出しながら。

 

これがどんな場面でも発動される。たしかに大体は私のイジワルだったりするのだが、ときには純粋なる妻のワガママのときもある。そんなときでさえ、私は娘の加勢を受け、必然的に相手側の要求を飲むことになるのだ。

 

娘は妻の味方になれることに喜びを感じているし、感謝されることを至福と捉えているようだ。妻とは天使のようなウィスパーボイスで「ねー」と笑顔で囁きあい、私に対してはドスを利かせた声で睨んでくるのであった。

 

これが女の連帯感なのか? 困るね、先生、とても。。