いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

照れる娘

なぜだろう。娘が照れている。

 

最近、ビデオ通話をするといつもそうだ。映像がうつると、画面が揺れるほど「ぱぱ!ぱぱ!」と興奮してくれる。でも、すぐにもじもじとやりはじめ、しばらくすると画面から逃げだしてしまうのだった。

 

私が見つめると「みないで」と顔を隠す。私が「顔を見せてよ」と言うと、へっへーといった感じで、カメラを覆ったり物陰に隠れたりする。

 

それでも大人同士で会話をしていると、気を惹くようにちょっかいを出してくる。なら話そうよ、と娘と向き合うと、彼女はハニカミ顔を浮かべてフェードアウトする。その繰り返しだ。

 

そして通話を切る時になると、まだ話したいと焦って駄々をこねだす。それでも時間だからと言ってバイバイすると、顔をくしゃっと歪めて大きな声で泣き出すのだった。

 

通話を切ったあとも、私の心には娘がいつまでも残っている。なんて可愛いのだろう。こんなに情緒豊かな反応を示されると、遠隔とはいえたまったもんじゃない。

 

いま実家には妻が不在のため、娘を泣かせ、じじばばに迷惑をかけてしまったな、と思っていたら、お義母さんからLINEがはいった。「すぐに泣き止んだから、心配しないでね」

 

動画も添付され、そこにはケロッとした顔で遊ぶ娘の姿が映っていた。切り替え早いなあ。そんなところも、可愛くて仕方がないのだった。