いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

この家が好き

いい家だな、と改めて思った。

 

私は自分の家が好きだ。一昨年から住み始めてまだ2年くらいだけれど、すっかりここが気に入っている。この家を買っていなければ、今も前の借家に住んでいたのだろうか。そう思うと、少し不思議な気持ちになるのだった。

 

今日から私は四連休。夏にとりそびれた夏休みを、一部このタイミングでとっているのだ。本当は妻たちの待つ実家へと行くつもりだったのだが、コロナを鑑み自粛することにしていた。つまりは、ぽっかり予定が空いているわけだ。


ひとり静かな家で過ごしていると、冒頭の感想をふと抱く。いい家だな。この家が好きだな。うまく言葉にすることができない。だからこそ、この感情を一度書いてみようと思い立った。

 

どんなときにそのような感情を抱くか。

 

涼しいリビングでソファに座り、ふと天井を見上げたとき。窓から漏れる喧噪に導かれ、レースのカーテンを開いたとき。やさしい弾力で押し返す、つめたい廊下を歩いたとき。買い物袋をぶらさげ、マンションのゲートをくぐったとき。

 

ふと、娘と息子が成長した将来を思い描いた。急に家の中が狭くなったように感じられる。きっと息子はあの部屋を使い、娘は私たちの寝室を占拠するのだろう。私と妻はリビングへと追いやられ、テレビでも観ながら、食後の紅茶を一緒にすすっている。

 

この家で育つ子ども達が、とても羨ましく思えた。でも本人達はきっと、そうは思わないのだろう。小さいころ育った自分の家に、なにも感慨を持っていないこの私のように。

 

でもこれだけは思う。将来、娘と息子にも、自分が気に入る素敵な家に、住んで欲しいなと。