いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

大いなる遺産

チャールズ・ディケンズの『大いなる遺産』。

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新訳版が出たということで名前だけは知っていたディケンズの作品を初めて手に取った。ここ最近で一番大きな衝撃を受けることとなった。

 

名作というのは本当に素晴らしいものだ。書かれてから160年も経っているというのに、今読んでも心躍るほどに面白い。新訳のおかげで瑞々しく蘇った、というのもあるのだろうが、私は読んですぐにディケンズの虜となった。

 

まずなんと言っても物語が抜群に面白い。本作はいくつもの映像作品が作られているが、それも頷ける。ある程度の展開は読めるものの、そこから更に予想を上回ってくる感じが堪らない。初読ゆえのドキドキ感を堪能できた。

 

読み終えてから、というかある程度並行して、アマゾンprimeで観られる映像作品をふたつ観た。展開がドラマチックなので映画としても映える。もちろん小説版が一番面白いけれど。

 

また物語だけではなく文章も私好みだった。当たり前かもしれないが、同じ英国文学ということで、どこかカズオ・イシグロにも似た空気を感じた。やはり国の特徴というものはあるのだなあと思い、英国文学全般にも興味を持った。

 

これは久々に大ハマりしそうな予感である。少なくとも、同じ訳者がこの前に出しているディケンズ他作品の新訳版は読むつもりでいる。

 

またひとり偉大なる作家が、『私の好きな作家リスト』に加わってくれるかもしれない。