いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

アナログな時間

昨日はほとんどテレビをつけなかった。

 

そればかりか普段なら流す音楽さえも。意図してそうしていたわけではないのだが、静かで落ち着いた雰囲気が妙に気に入り、結局は夕食後に娘がつけるまでスイッチを入れなかった。

 

そのぶん、いつもにも増して家族と顔を合わせて会話ができたような気がする。娘との遊び方も自然とアナログなものとなった。

 

まずは雑誌の付録としてついてきたスゴロクのようなものに熱中した。それぞれの駒を置き、じゃんけんをして勝つとハシゴを一段昇れる。一番上まで昇るとアイテムがゲットでき、また一番下から再開する。最終的に獲得したアイテム数が多い方が勝ち、という単純なゲームだ。

 

娘と白熱のじゃんけんを繰り返した。いつも接戦となり面白かった。妻をいれた三人での対決も実施し、なかなか盛大に盛り上がった。これまた接戦となり、じゃんけんで勝つ確率は本当に均等なのだなあと改めて実感させられた。

 

その後は段ボールで工作をした。娘の羽子板をしまっていた丈夫な段ボール箱が空いたからだ。私は段ボールカッターで穴を空け、娘が頭と手足を出し、すっぽりと被れるようにした。

 

くり抜いた切れ端をつかって背びれと尻尾をつくり、怪獣のような様相となった。女の子向けのものを作らなければならないのに、私の発想だとどうしても男の子向けになってしまう。

 

それでも娘は喜んでそれを被ってくれ、野蛮な表情を浮かべて家中を闊歩していた。横に倒れてサメになったり、背びれのトゲトゲを前にして私に攻撃してきたりと、子供ならではの自由な発想で遊んでくれ、私もそれに応戦した。

 

夕食の際には、息子もベビーチェアに座らせ、初めて四人で食卓を囲んだ。娘は嬉しそうに息子の隣に座り、私たちも喜びのあまりいつまでもハンディカムのビデオを回していた。

 

デジタルを遮断したおかげで普段とはまた違った幸せな一日を過ごすことができた。楽しいテレビは多いけど、たまにはこんな日も良いな。