息子はどうやら寂しがり屋なようだ。
彼の表情からもその気質は窺えるのだが、もっともそれを感じるのは、彼の寝相からである。
彼は何かに顔を擦り付けていると安心できるらしい。以前は妻に添い寝してもらい、おっぱいを咥えながらに寝た夜もあった。最近ではそれは減ったが、その時の名残なのかもしれない。
昼寝のときはうつ伏せになり、顔をマットに擦り付けることが多い。夜寝るときには、お気に入りのタオルを自分自身で顔に被せている。たまに鼻と口が完全に塞がっているように見え、そのたび私たちはヒヤヒヤとさせられる。
でも、慌ててひっくり返すと本人はケロッとしている。ただ普段から物静かな彼なので、夫婦の心配は尽きないのであった。
しかしながら、寂しがり屋の甘えん坊だと思うと、もっと息子のことを愛おしく感じる。娘は大きくなっても可愛いと思うのだろうが、男の子である息子を「可愛い」と思えるのは、もしかしたら、今の小さいうちだけかもしれない。
彼のことをいつの日か「頼もしい」とか思うのだろうか。うつ伏せに眠る彼を眺めていると、そのときのことがまだうまく想像できない。