いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

梅雨入り

今年も梅雨がやってきたらしい。

 

学生時代はこの時期が憂鬱だった。人並みの美意識もまだ持ち合わせていたので、くせのある前髪が湿気のせいで決まらないことをよく嘆いていた。

 

今では髪型のことはあまり気にならなくなったが、やはり今でも梅雨は好きではない。それはそうだ。外には出づらいし、室温調節にも苦労させられる。

 

しかし在宅勤務が主である今、雨の日に家で仕事をしていると、なんだか得したような気持ちになるのだった。濡れる被害を被らない限りは、網戸越しの雨はなかなかに風情を感じさせてくれる。

 

規則正しく降り注ぐ音は癒やしのBGMになるし、たまに吹く風に乗り漂ってくる清涼感は、火照った頭をさっぱり冷やしてくれる。なかには偏頭痛を呼ぶ雨もあるのだが、今日の雨はそうではなかった。

 

幼稚園へ行く娘や妻、陽の光を待ち焦がれているベランダの植物たちには申し訳ないが、そんなふうに、今日の雨には好意的な感情を抱いてしまった。

 

また明日も雨が降るらしい。それは梅雨だものな。そうであろう。ただ残念なのは、明日は会社に出社する必要があることだ。雨でびしょ濡れになり、やっぱり梅雨は嫌いだと嘆くことが目に見えている。