いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

村上さんのところ

村上春樹の『村上さんのところ』を読了した。

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期間限定サイトで村上春樹がファンからの質問に答えた文が収録されている。先日『海辺のカフカ』を再読して、村上の語り口にまだ浸りたい気持ちになったので、未読のこの本を手に取った。

 

一問一答形式で書かれているので、隙間時間に読むには最適な本だ。それゆえ、他の長篇を読む傍ら、気分転換にちょこちょこページを読み進めた。

 

やはりどの回答にも村上独自の感性やポリシーが滲み出ていて面白かった。あくまでファンが読んでこその本ではあるのだろうが、彼の人となりや物事の考え方に興味のある人は楽しめる内容だろう。

 

後書きを読むと、この企画が行われたのは『騎士団長殺し』を書き始める前らしい。何かしら作品に与えた要素はあったのだろうか。人間のやることなので、全く影響を受けないこと等あり得ないだろう。

 

それにしても、単なる質問への回答でその人の魅力や味わいを感じさせる文章が書けるなんて羨ましい限りだ。私もこうして日々日常を綴っていくことで、少しずつでもそんな文章に近づけたらいいな。