いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

フライデーナイト

夕食前に子供ふたりが寝てしまった。

 

そうなると大人ふたりもだらけてしまう。ただでさえ金曜の夜なのだ。妻は夕食つくりたくなーいとソファでまるまり、私はその横に座り、仕事終わりのご褒美にと読書に耽る。

 

娘はスイミング帰りなので疲れている。ゆえにしばらくは起きないだろう。息子も風邪をひいているのでできるだけ寝かせてあげたい。そうなると夕食も遅くなり、どうやっても夜更かしは確定なのだ。

 

そんなわけで、私たちは金曜の夜を貪るようにだらけた。録り溜めたバラエティを惰性で観た。子供が順に起きてきたので、妻が重い腰をあげ夕食をつくった。私も洗い物をしてアシストする。チキン南蛮だった。ぱぱっと作っても妻の手料理は美味しい。

 

私たちはペロリと平らげたが、案の定、寝起きの娘の箸は重かった。彼女の食べ終わりを待っている間、私たちのだらけモードが再開される。

 

金曜の夜に多いが、妻がゲームをやりたいといいだす。久しぶりにPS4のコントローラを握り、ダウンロードした体験版ソフトをやり始めた。ゲーム世界ならではの広大なフィールド。見ているだけでも清々しかった。家籠もりのこの時代にゲーム需要が増えるのも納得である。

 

娘がついに食べ終わり、私もゲームやりたーいとソファへとやってきた。ひとり遊びに興じていた息子も、大好きなお姉ちゃんの声に呼び寄せられやって来る。あっという間に、コントローラを握る妻のまわりに子供たちが群がってきた。

 

リラックスした一家団欒の光景に、私は思わず目を細めた。金曜の夜だけ時間の流れが他とは違う気がする。早いのか遅いのかはわからないのだけれど。でも夢みたいなひとときであることだけは確かだ。