いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

新しいオモチャとひとり部屋

娘の新しいオモチャを出して遊んだ。

 

誕生日が近いのだ。実家から贈られたプレゼントが先に届いていたので、たっぷり遊べるこの休日に開けて遊ばせることにした。

 

リクエストして送ってもらったのは『くみくみスロープ』という知育玩具だ。様々なスロープパーツを自由自在に組み合わせ、上からビー玉サイズのボールを転がしては、それが下にたどり着くまでの経路を楽しく見守るオモチャである。

 

パーツには多種多様なギミックがついていて、大人の私も思わず夢中になって組み立てた。『たっぷりセット』を贈ってもらったので、とても壮大で分岐も多いスロープを作ることができた。

 

複数のボールを同じ場所からスタートさせても、分岐によりそれぞれのルートを辿ることで、たどり着くゴールやその速さにはいくらかの差が生じる。

 

私はそれをぼんやりと眺めながら「まるで人生みたいだ」と無意識のうちに呟いていた。側で聞いていた妻は笑った。最近の私の仕事での葛藤も知っているので、心の声が漏れたのが面白かったのだろう。

 

もうひとつ頂いたのは『クムタス』という玩具。ジョイントマットをはめ合わせ、立体的な構造物を作ることができる。娘はそれで家が作りたいと言っていた。実際に作ってみると、寝そべった娘がなんとか入れるような小屋は作れた。

 

どちらのオモチャも、1歳の息子とは遊ばないため、彼が昼寝をしている間に、娘のひとり部屋で遊んだ。またオモチャが増えたということで、妻が夕方から夜にかけて娘の部屋を整理してくれた。

 

それにしても、我が家でひとり部屋を持っているのは娘ひとりである。私でさえ、妻との寝室兼ふたり部屋を持っているだけなのだ。

 

羨ましいなあ。整理された娘の部屋を見ながら思った。子供たちが巣立っていったら占領してやろう。そう妻と言い合いながら十数年先に想いを馳せた。