いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

降って湧いた休日

降って湧いたような三連休である。

 

この一文で書き出すにあたり、『降って湧く』を念のため検索してみた。物事が思いがけず起きる。うむ、まさに今回の連休に相応しい表現である。

 

数日前に、本日が組織の一斉休暇日であることを知った。会社の制度的に今月で年休を使い切る必要があるし、夏休み明けの連勤で疲れが蓄積される頃だという配慮もあるのかもしれない。

 

一斉休暇の旨はずいぶんと前から周知されていたらしいが、私は業務に忙殺されそんなことにも気づかなかった。おかげで寝耳に水、つまりは降って湧いたような三連休を与えられるに至ったのである。

 

仕事のときと同じ時間に目覚めたので、イヤホンを耳にはめ、タイムフリー機能でラジオを聴いた。聴き終わるとソファに腰掛け、読みかけの文庫小説と統計学の単行本を交互に読み進めた。

 

蕎麦を食べに行こう。まずはそう思いたった。休日だと長い行列ができる近所の美味しい蕎麦屋で昼食を食べようと思ったのだ。

 

他に平日だからこそできること、そう考えてマイナンバーカードを取りに行くことも思いついた。さっそく市役所に電話してみると、予約なしでも受け取りは可能なようだ。

 

さっそく朝食を済ませ、息子とふたり自転車で市役所に向かった。息子も赤ちゃんとはいえ、受け取りには本人の同行が必要だったのだ。ちなみに妻と娘は既に受け取りを済ませている。

 

予想どおり平日なので市役所は空いており、スムーズにカードの受け取りができた。帰宅すると、妻と娘も一緒に近所の蕎麦屋に行った。いつもどおりとても美味しくて、子供らもたくさん食べてくれた。

 

娘がスイミングスクールに行っている間は、息子が寝てくれたので寝室にこもってワークデスクの組み立てを始めた。在宅勤務がさらに続きそうなので、今更ながら寝室に机を置くことにしたのだ。

 

最後の最後で、重量のあるパーツを落下させ、指に怪我を負い(結構な出血があった)、床に凹みをつくってしまった。怪我の方は妻が手当てをしてくれて、床の方もテープを貼って応急処置。建物保険に入っているので、修理代は補償してもらおう。

 

夕食は買ってきた惣菜を中心に並べ、ベランダディナーをした。気候が涼しくなってきたので、このようなベランダでの食事も増えるだろう。芝生のタイルを敷き詰めている我が家のベランダは、第二のリビングのように居心地が良い。

 

食後は子供たちだけ部屋の中へと戻りテレビの前で踊っていた。私と妻はベランダに残って、窓越しにその様子を眺めていた。

 

防音ガラスに挟まれているので子供たちの声もほぼ遮断されている。久々に大人ふたりきりでのんびりと色々な話をした。「週に一回これやりたいね」。終わりかけに妻が放ったその言葉が、この時間の充実感を物語っていた。同感である。またやろう。