いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

最後の一押し

妻が新しいリュックを買って喜んでいた。

 

ネットで買ったのでお昼に配達で届いたのだ。開封すると思った通りの代物だったらしく、嬉しそうに見せてきた。たしかにシンプルながらも愛らしいシェイプで、ディテールにも妙味を感じた。サイズ感もちょうどよく、妻によく似合っていた。

 

素直にいいじゃんと言うと、でしょ〜と更に喜んでいた。ずっとリュックが欲しいと言っていたので、いい物が見つけられてよかったなと思った。

 

すると妻に「ありがとね」とお礼を言われた。なんのことだろうかと思い返すと、そういえば、このリュックは私が買ってあげたのだったと思い出した。

 

妻が見つけ、妻が選び、妻がネットショッピングの手続きまでを済ませた上で、私が最後の『購入』ボタンだけを押したのであった。

 

自分で買うんじゃなくて、プレゼントとして買って欲しい。そう妻がこだわるので、そんな形で購入したのであった。それでも喜んでくれたので、いい奴だなと思った。少し値段が張るものは自分で買いづらいのだろう。そういう慎しさも実に彼女らしい。

 

この週末には心待ちにしていたお出掛けの予定もあるので、そこで初下ろしをするのだろう。喜び溢れるランランの後ろ姿、今から見るのが楽しみだ。