いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

滑り台マスター

息子が滑り台を覚えた。

 

子供部屋に滑り台つきのジャングルジムを置いたのだ。しばらくの間しまっておいたのだが、そろそろ息子も遊べる時期かと、妻が設置したのだった。

 

一日が経ち、彼はいまやひとりで滑り台をすべる。それどころか、下から逆走する形で這いあがり、頂上まで辿りつくと、向きを変えて座り直し、満面の笑みですべり降りるのだった。

 

下まで降りると、すくっと立ち上がる。そして愉快そうに大笑いするのだった。あまりに見事なすべりっぷりに、私は彼に向け拍手をした。すると彼はさらに嬉しそうにし、それ以来すべり終わると自分でも拍手をするようになった。

 

楽しいのか彼は何度も繰り返し滑り台をすべっていた。最初はヒヤヒヤ見守っていたが、今では安心して見ていられる。それくらいすべり上手である。

 

それにしても、娘は1歳でこの滑り台をすべれただろうか。少なくとも彼のように、自分で下からよじ登ってすべるということはしていなかったはずだ。

 

真似ができる姉という存在がいることも大きいのだろうが、それでも男の子ならではの逞しさを感じられたのであった。

 

本来は階段を取り付けるのだが、間に挟まって泣いたとのことで今は外している。ゆえに本来の階段を登ってすべる、ではなく、逆走でよじ登ってすべる、を先にマスターしてしまった。

 

滑り台の基本がそれだと覚えなければいいけど。なんにせよ、闊達な男の子になりそうで、頼もしい。