いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ふたつめの金メダル

腕を伸ばせど、どこまでも掴めないと思わされる青空だった。そんな晴天の下、待ちに待った運動会。

 

最近における私の転職活動に対し、いつもは慎重派に徹している妻からも、この日ばかりは「もし年休が取れなかったら転職しな」と言われていた。言わずもがな、私も当然同意見である。

 

今年もコロナ感染予防のため、新様式での運動会となった。学年ごとの分散開催。ただこれにより、どのプログラムにも自分の子供が参加するので、短くとも濃縮されており、時間に対して満足度が高い。学校側はさぞかし大変なのだろうけど。

 

娘は今日も朝から絶好調だった。幼稚園でも友達や先生たち、保護者たちからもよく名前を呼ばれ、明るく元気な子として評判が高いようだった。

 

開会の挨拶があると、皆で歌を合唱し、音楽に合わせて準備運動をした。小さな身体ながら、元気いっぱいに飛び跳ね、よく通る声を出す娘は、集団の中でもよく目立っていた。

 

練習していたかけっこではダントツ一番となり、パラバルーンを使った集団演技でも、みんなと息を合わせてしっかりと役割を果たしていた。

 

年少さんのときと比べ、全体における演技の質も向上しており、一年でこんなにも立派な演技をと、ささやかな感動を覚えた。

 

ある場面では、手をシャキッと空に伸ばし、真剣な表情で指先を見つめながらに行進をしていた。その背筋がピンと伸びた姿勢がとにかく美しく、普段よく見ているおふざけしている彼女とのギャップに、思わず心を震わされた。

 

障害物競争も軽快に最後まで走りきり、閉会式でも去年同様、参加賞の金メダルを贈呈されていた。首からメダルを下げられた娘は、しばらくそれをまじまじと見つめ、太陽が反射する眩しいメダルを、大事そうに手の中で抱え、はにかんでいた。

 

ハンディカムを充電し損ねるというトラブルはあったものの、全プログラムの映像はなんとか収められたし、なにより娘の大活躍を直に見られたということで、これ以上ない満足感を抱くことができた。

 

運動会後は自宅で昼食をとり、しばし休んだ後は皆で娘のスイミングスクールの見学に行った。2ヶ月に1回のテスト日で、結果は残念ながら不合格となってしまったが、久しぶりに見た娘の泳ぎは前回の時とは比べようもないほどに上達しており、その成長にここでも少し目頭が熱くなった。

 

盛りだくさんのイベントを終え、さぞかし娘は疲れたことだろう。夕食とお風呂、歯磨きを早めに済ませ、今はしばしリラックスタイムを過ごさせている。もうすぐしたら、静かに眠りはじめるだろう。

 

たっぷりと寝て、その小さな身体をしっかりと癒して欲しい。本当に金メダルに相応しい誇れる娘だ。