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BRUTUS特集:村上春樹

BRUTUS特集:村上春樹を読了した。
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上下巻で構成されており、私は上巻が発売され遅れること数日後に、やっとその存在を知った。

 

Amazonにて好きな作家名で検索をする。定期的にやっている行為だが、最近ではあまりできていなかった。久々に『村上春樹』で検索してみたところ、この雑誌企画の存在を知ることになったのである。

 

ネットでも売り切れだったので、近所の本屋とコンビニを探し歩いた。3軒目でやっと見つけられ、購入と同時に下巻の方はネット予約をしておいた。

 

上巻は『読む。編』ということで、村上が手放せない51冊の本についてと、村上自身の作品に関する企画が掲載されていた。どれも読んでいて面白かったが、声をあげるほどに嬉しかったのは冒頭にあった以下のインタビュー内容だ。

 

今はフィッツジェラルドの『最後の大君』を訳し終えてゲラを見ているところ。あとはカポーティの『遠い声 遠い部屋』を訳しています。

 

なんと。どちらも好きな作家。後者は既出の翻訳版を買おうかかとも思っていた作品だった。ただ、村上訳がでるならそれまで買うのは待つことにする。

 

下巻は『聴く。観る。集める。食べる。飲む。編』ということで、いわば本以外の村上の趣味について紹介されている内容だ。クラシックレコードたちについて書かれた村上の寄稿が読み応えあった。

 

音楽という形のないものの素晴らしさを言葉で表現するには、相当の技量と語彙力が必要となる。彼のレビューからは、とても学べることが多かった。

 

また村上が所有するアートコレクションもいくつか紹介されており、私もいつか家に絵画やアート作品を飾りたいなという淡い願望も抱いた。まだ身分不相応ではあるが、徐々にでも推しの作家をみつけ、長期スパンで実現させられればなと思っている。

 

総じて大満足な企画であった。BRUTUS系の雑誌はたまに趣味に合う企画をやってくれるので嬉しい。久々に雑誌というものを買ったが、やはり活字だけの本と比べて、脳の違った部分を使っている気持ちになる。良い企画があれば、また購入しよう。