いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

両極化時代のデジタル経営

デロイトトーマツグループ著の『両極化時代のデジタル経営』を読了した。
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これも転職活動を通じて興味をもった書籍だ。このところ文学小説を読む時間が減り、ビジネス書を多く読んでいる。今はそういう気分なのだろう。

 

コンサルファームが手掛けた本らしく、理路整然とまとまっていてとても読みやすかった。ひとりの著者ではなく、グループ内の各領域の専門家たちによる共同製作なので、どの章も具体的で読みごたえがあった。それなのに一冊としては統一された書き方となっており、よい書籍だなという感想をもった。

 

私も以前の組織で、業務変革をリーダーとして牽引した経験があるのだが、そのときに感じた課題感やこうあるべきだといった考え等が体系的にまとまっていて、自分の頭を整理する上でも役立った。

 

書かれている内容としては、ほかの書籍やネット記事等でも言われていることが中心ではあったが、どれも具体例や根拠となる説明があって、すっと腹落ちさせることができた。たとえ話や表現方法にも妙味を感じられ、短い言葉で重要なポイントを理解させるコンサルタントの能力を見せられた気がした。

 

また図やイメージ等の記載も豊富で、その点も理解の促進に役立った。仕事における資料での表現方法といった意味でも、学びは多かったかもしれない。一部、私の経営に関する知識不足で、理解が追い付かない箇所もあったので、また期間を置いて、改めて読んでみることとしたい。

 

市場優位性を確立するために今企業に求められていることが網羅的に書かれているが、この書を読んで改めてうちの会社は大丈夫だろうかと心配が深まった。できている会社も少ないとは思うものの、うちの会社は図体もでかい分、ここに書かれていることを実行するのは至難の業であるように思えた。

 

また一方で、世界のトップ企業たちは、このような取り組みを他の企業たちが意識する前から率先してやっていたのかと思うと、驚愕の思いであった。経営者の先見の明と卓越したリーダーシップがなければ実現できまい。改めて、経営者の力量で差が出てしまう世界なのだと実感することができた。

 

転職活動を続けているうちは、もう少しビジネス書も読もうと思っている。ちなみに、そんな中でもたまに文学作品を読むと、同じ活字でもまったく異なる読み心地なので、驚いてしまう。改めて作家というのは凄いなと思った。隙間時間に読む文学が、脳に喜びという名の糖分を与えてくれているようだ。