いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

のび太の宇宙小戦争2021

娘とふたりでドラえもんの映画を観てきた。
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のび太の宇宙小戦争2021』だ。娘は映画館に来るのがこれで二回目、私と観るのは初めてであった。私自身も映画館で観るのは何年ぶりだろう。

 

ポップコーンとジュースを携えて席についた。早い時間帯を選んだからか、客席は半分も埋まっていなかった。ディスタンスを保てるよう中央部横の二人席を選んだ。幸運なことに目の前は空席であった。

 

娘にとっては少し上映時間が長かったので、途中集中力が途切れ、眠そうな場面もあったが、座席前に立ったり、私の膝に乗ったりと、彼女なりに最後まで寝ないようなんとか抗っていた。

 

ただ終盤の盛り上がりでは思わず声を洩らすほどに食い入ってみていた。結局最後まで寝ずに観ることができ、面白かったと、笑顔で感想を言っていた。

 

映画の内容はというと、現在の状況的に、どうしてもロシアとウクライナの戦争を重ねずには観られなかった。きっと観賞している他の大人達の頭にも、そのことが何度も過ったに違いない。

 

本映画は過去作のリメイクであり、タイトルにも『2021』とあるくらいなので上映も延期になっている。そのため、現在進行形のあの戦争に対するメッセージは意図されていないだろう。ただ重ねずに観ることは不可能であった。

 

独裁者からの理不尽な侵略を受け、それに対抗するために勇敢にも戦車に乗り込んだしずかちゃんが、「私だって怖いわよ。でも、このまま独裁者に負けちゃうなんて、あんまり惨めじゃない。やるだけのこと、やるしかないわ」というようなセリフを吐くシーンがあった。

 

ウクライナの人々も果たしてこんな感情なのだろうか。戦争を体験したことのない私からすれば、「戦わなくていいから、頼むから生きることだけを優先して逃げてくれ」と心の中で叫んでしまった。

 

どちらが正しいかなんて、もちろん『正解』はない。あるとすれば、戦争をすることが『不正解』であるという事実だけだと思う。

 

そんなわけで、ドラえもんの映画では高確率で泣いてしまう私なのだが、意図せずに何度も神妙な想いに苛まれ、結果、泣けずじまいに終わってしまった。久しぶりの映画は、なんとも考えさせられるものであった。ただこれも、娘との貴重な思い出だ。