いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ホワイトデーの恥

今日慌ててホワイトデーのお返しを買いに行った。

 

週末に出掛けなかったので、前日までに準備ができなかったのだ。朝のランニングがてらショッピングモールに行って、お返しを買いそろえた。


娘にはオマケでプリキュアの子供向けチークを買った。お菓子はラッピングされたゴディバを一度手に取ったが、同じ値段でたくさん楽しめるだろうという狙いから、結局はたくさんのチョコレート商品の盛り合わせに切り替えた。

 

買ってきたそれらは娘の部屋の中央に飾った。娘が幼稚園から帰ると、着替えるために真っ先にその部屋に入るからだ。期待通り、娘は帰ってくるなり、リビングで待つ私にも聞こえるくらい大きく、喜びの声をあげていた。

 

三時のおやつでは皆でそれらチョコレートを食べた。また娘はプリキュアのチークを開け、さっそくママにほっぺたに塗って貰っていた。あまりケバケバしくないナチュラル仕様だったので、娘の幼い顔にもよく似合っていた。

 

娘はプレゼントを渡すことと、お返しをもらうことの楽しさを実感したようだった。気が早いことに、次のバレンタインではパパにあれをあげようよ、とママに耳打ちをしていた。一年後かよ、とツッコミながらも、娘のその気持ちが素直に嬉しかった。


ただホワイトデーになるたび、私は学生時代のことを毎年思い出してしまう。当時の私は何を勘違いしていたのか、『ホワイトデーにお返しをする男はダサい』という愚かな考えに取り憑かれていたのだ。

 

私からのお返しを秘かに楽しみにしていたであろう女の子たちを、何人も悲しませたということ(中学生までの私はとにかくモテていたのである)、そしてそのたび「アイツはなんて非常識な野郎だ」と陰で呆れられていたことを想像すると、声が漏れるほどに恥ずかしい気持ちに苛まれるのであった。

 

妻にその話をすると「引くわあ・・・」としかめっ面を向けられ、「だからそれ以降モテなかったんじゃない?」と核心を突きつけられたのであった。

 

息子には、しっかりとお返しをするよう教えたい。