いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ぽんぽん

お風呂上がりの息子を受け取りにいく。

 

タオルで包み込もうとすると、それを避けるように膝をついた私の太股によじのぼってくる。私と目線を合わせると、ぎゅうっと抱擁をしてくるのであった。

 

濡れた身体でそれをされるので、当然私の服は濡れてしまう。それでも子供が甘えたいときにはできるだけ応えてあげたいので、彼を受け入れ、抱きしめる。

 

甘えん坊め。そう思うのだけれど、私の背中にまわした息子の手が、ぽんっ、ぽんっと、私をなだめるかのように跳ねるのだった。その所作だけをみたら、まるで私が息子の胸に飛び込んだみたいではないか。


変だよなと思いながらも、私も息子の背中をぽんぽんとする。ふたりして互いにぽんぽんと励まし合う、奇妙なハグがしばし繰り広げられる。

 

きっと私たちがそうするので、抱きしめるときにはそうするものだと覚えてしまったのだろう。いつかお友達にも、そのようにして優しく慰めてあげてほしい。