いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

勝利の知らせ

娘がついに平熱まで下がった。

 

まだ少し喉は痛いらしいが、それ以外は健康時となんら変わらない。それでもまだしばらくは隔離が続く。なるほど、これは待機期間の議論が白熱するわけだなと実感した。

 

まだ他の家族にもうつっていない。家の中ではマスクをし、定期的に手洗いや消毒を実施する。寂しくて退屈そうだが、娘もなんとか耐えてくれている。

 

そんな娘が部屋から顔を出すので、廊下を隔てて短い会話を交わす。いずれもささやかな時間だが、それでも孤独の中にいると嬉しい時間であるようだ。こちらが申し訳なくなるほどの満面の笑みを見せてくれる。

 

ほんとは「もう少しの辛抱だからね」とでも励ましてあげたいのだが、残りの日数はまだまだあるので、口が裂けてもそんな偽りを口にしてはならない。

 

当然私たちも外には出られない。息子も退屈しているが、できるのはたまにベランダに出すくらいだ。それでもこうして乗り切らねば。我が家の踏ん張り時だ。

 

そんな中、少しだけ明るくなる話題も舞い込んできた。先日抗議の意を込めてアンケートまで提出していた市の学区見直し案が、ここに来て白紙に戻ったのである。

 

きっと私と同様、多くの市民たちが反対の意を示し、それを行動に移したのだろう。市長からは謝罪の言葉があり、進め方に問題のあった教育委員会には厳重注意が下された。我々の完全勝利である。

 

市民の声が行政を動かせたと実感ができ、小さな感動を覚えた。ひとりひとりの声は小さくても、大勢が動けば未来を変えられる。選挙もそうではないか、と久しぶりに政治に対して前向きな気持ちが持てた。

 

またすぐに過ちを認め、軌道修正できる市長をもって幸せだと思った。学区変更案は白紙に戻れど、もとあった課題はなくならない。別案検討の際には丁寧な進め方をお願いしたい。必要があれば協力も辞さない。