いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

扉をめぐる攻防戦

クライアントミーティングの日はやる事は少ない。

 

朝資料を送り込めば、やることといったら説明練習くらい。あとは移動なのだが、今日はリモート参加だったので、それも必要なかった。

 

ゆえに早朝、資料の最終チェックをした後は一度退勤の処理をし、息子と過ごしながらビジネス書を読んでいた。妻と娘は友人宅に遊びに行っていたので家にはふたりだったのだ。

 

ただこれがなかなか大変な時間であった。息子がついに家の中の扉の取っ手に手が届くようになったものだから、なんど連れ戻してもリビングから出て行き、私の仕事部屋を開けては中に入ろうとするのだった。

 

扉の前に椅子を置き妨害も試みたのだが、それも押してずらして扉を開けてしまう。息子が昼寝に入るまで、全くといっていいほどゆっくりできなかった。

 

またクライアントミーティング前には、さすがに説明練習をして、接続環境のチェック等もしたかったのだが、昼寝から目覚めた息子が何度だって部屋に侵入してきて、まともな準備ができなかった。あと少しでも妻たちの帰りが遅れていれば、ミーティングにも支障をきたしていただろう。

 

息子は扉を開ける時、それができるようになったことが嬉しいのか、ほくそ笑みながら意気揚々と参上する。「ばぁ!」と両手を広げて侵入してきて、捕まえようとする手からはキャッキャと逃げまわる。

 

息子の成長は嬉しいものの、やはりリビングから自由に出られるようになったのは困ったものだ。これでは在宅勤務もおちおちやってられない。妻とも話して、早々に対処を施す予定である。ケガでもする前に。