いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

豪雨に打たれて

久しぶりに雨でびしょ濡れになる体験をした。

 

昼食のうどんを食べ、コーナンで手持ち花火を買った帰りに豪雨に捕まったのだ。少し前から漆黒の雷雲が近づいてきており、早く帰らなきゃなあとは言っていたものの、アイスを買うためにコンビニに立ち寄ると、言わんこっちゃない、見事に捕まってしまった。

 

自転車だったが、チャイルドシートにはラインカバーを常設しているので、子供らを濡らす心配はなかった。しかしながら私と妻は野ざらし状態。ノーガードで『雨雨のガトリング』を全身に喰らい続けた。

 

マンションに着く頃には下着までびっしょりで、一周まわってもはや何も恐るるものはないといった、謂わば心のスター状態のように覚醒していた。心の底から愉快さが込み上げてきて、思わず口の端から「フハハハ」といった不敵な笑い声が漏れ出すのだった。

 

それは同じく見るも哀れな姿の妻も、同様の境地に達しているようであった。なすすべもない自然の圧倒的な暴力に対し、なすすべもなく笑い合い、降伏の印としての白い歯を天に向かって掲げていた。

 

家の中に入ると、すぐさまシャワーを浴びた。これで風邪をひいたら完全に敗北である。一方で、風邪さえひかなければ後に引くダメージもなく、ただただ面白い思い出だけが残るので、勝利とすら呼べるだろう。

 

どうやら私たちは勝ったようだ。シャワー上がりにアイスを食べると私はソファで昼寝を貪った。涼やかな流水に洗われる、心地良い夢を見たような気がする。