いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

夏でもなく秋でもなく

喉に流し込んだ麦茶がすぐさま汗に変わった。

 

どれだけ飲んでも喉の渇きは尽きない。自動販売機の有り難みを実感する。もう何本飲んだことだろうか。

 

風は秋の趣を纏うのに、日差しはまだまだ夏味が残っている。お互いに申し合わせはしていないようだ。できればテーマを合わせてパッケージしてもらえたら、我々としては嬉しいのだけれど。

 

今日は娘のリクエストで万博公園を訪れていた。娘と息子は鼻頭に汗玉を浮かべながらも元気いっぱいに遊んでいる。私と妻で交互にそれを追いかけながら、最も暑い時間帯をなんとか耐えしのいでいた。

 

それでも沈まない太陽はない。気づけば太陽は傾き、薄い青が満遍なく塗られていた空に、優しいオレンジのマーカー線が徐々に引かれはじめていった。

 

夕食の予約までまだ少し時間があったので、隣接するエキスポシティで買い物をする。息子は抱っこ紐に入れるとすぐに寝息を立て始めた。妻の買い物が済む頃には、娘も眠たがったので彼女も抱っこして運んだ。

 

自転車に乗る頃にはあたりはすっかり暗くなっていた。案の定、娘はすぐにチャイルドシートで眠りはじめる。夕食の回転寿司は予約をしていたのにしばらく待つことになった。週末にはみんな寿司を食べたいらしい。やっと席に着くと、待たされた反動から腹いっぱいに寿司を詰め込んだ。

 

帰り道、娘が空を指してまん丸のお月様を見つけた。十五夜だからね。妻が言う。十五夜って十五日にあるんじゃないの?私の質問に、妻は呆れかえっていた。