いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

無力

娘が本格的に風邪をひいてしまったようだ。

 

39度を超える熱が続いているらしい。昨夜も心配した妻が再び病院へと連れて行ってくれた。検査の結果、インフル等ではないとのことだ。

 

寝る前に少しだけビデオ通話をした。しかし、その間も娘は終始目がとろんとしていて、見るからにキツそうだった。いつもの笑顔もない。生まれて以来、こんなに苦しそうな娘を見るのは初めてのことだった。

 

それでも私には画面越しに励ましの言葉をかけることくらいしかできない。ものの数分で、私はその状況に堪えられなくなった。娘も疲れていたので、おやすみを交わし早々に通話を切り上げる。

 

苦しそうな娘を前に、私はただただ無力だった。

 

弱々しい娘の姿を思い出し、悪い想像が頭をよぎる。そばにいられれば安心材料も得られるのだろうが、切り取った情報だけを受け取ると心配ばかりが募ってくる。思わず涙がこぼれそうになった。

 

これまで娘は本当に元気で健康的に育ってきた。そのため、このまま病気とは無縁に大きくなっていくのだろう。いつしか、そんな風に楽観視してしまっていた。

 

だが、当然ながらそんなことはないのだ。今後もこれくらいの風邪なんて何度もひくのだろう。私も親として、苦しそうな娘に対する免疫をつけていかなければならないな、と思った。

 

早く元気になってほしい。それでも、遠くから祈ることしかできないことが、何とももどかしくてならない。