いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ささやかなる誕生祝い

今年も妻の誕生日がやってきた。 去年は「コロナのせいで今までで一番質素なお祝い」だなんて言っていたが、一年後もそんな状況が続いているだなんて思ってもみなかった。 そんなわけで、今年も自粛要請の中での誕生日を過ごした。それでも少なからずお祝い…

英国諜報員アシェンデン

モームの『英国諜報員アシェンデン』を読了。 新訳版のモーム作品を3作連続で読んだ。ただ、今作では少しだけ肩透かしをくらうこととなった。 実際に諜報員として働いた経験を持つサマセット・モーム。そんな彼が描く諜報員の物語は、ゆえに007等に見られる…

ゴールデンな前夜

ついに辿り着いた。 正月休みの終わりから歩みを始めた私たちの長い旅路。次の目的地として目指していたオアシスが、そう、ゴールデンウィークだ。 夢にまで見た景色が今眼前に広がっている。思っていたよりも広大だ。今年は11連休となった。緊急事態宣言下…

親として半人前

子供を怒ると、その後で毎回へこむ。 「叱って」いるのだと言いたいところだが、正直なところ感情のままに「怒って」もいる。親として、まだまだ半人前だと言わざるを得ない。 四歳の娘にはイライラさせられることも増えてきた。話ができて理解もできるレベ…

液体と固体と肉体

浴槽の中の息子が、研究者の表情を浮かべている。 彼は先程から何度も繰り返し同じ行動をとっている。お湯をパチャパチャとはじき、その後同じようにバスタブの側面をバンバンと叩くのだ。 手を押し返す抵抗の違いを興味深く思っているのだろう。もしかした…

月曜だと思ったら

月曜だと思って目覚めたら、日曜日であった。 寝ぼけた頭に安堵と喜びがじわじわと広がっていく。それなら、まだもう少し寝られるじゃないか。 そもそもなぜ今朝を月曜の朝だと錯覚したのか。それは昨日の過ごし方がいかにも『日曜日的』だったからだと思わ…

タコ以下の知性

少し前に妻から聞いた話だが、2、3歳までの子供はタコ以下の知性らしい。それを聞いて以来、息子のおバカな行動を目にする度そのことを思い出す。 タコはなかなか知性が高い動物らしいのだが、「このタコ!」という悪口があるくらいだから、人間にはあまり上…

自慢の娘

今日は親としてとても嬉しいことがあった。 妻が娘の同級生のママからお礼を言われたのだ。娘がその同級生の子に優しい振る舞いをしたらしい。 その子はクラス替えがあって以降、新しいクラスに入るのが嫌で、よく泣くようになった。そんなとき娘が彼女に寄…

ジゴロとジゴレット

サマセット・モーム『ジゴロとジゴレット』読了。 私の中で突如始まったモームブーム。この作品を読み終えても尚、その勢いは留まることを知らない。 今作は訳者による短編小説の傑作選。前評判通り、一篇の駄作もなく、どれも素晴らしい作品であった。退屈…

いない世界

「◯◯くんとパパ、どっちとケッコンしよう」 就寝前、娘がベッドの上でそのようなことを口にした。大きくなった弟とパパ、将来どっちと結婚しようかと、最近悩んでいるらしい。 「こうたいごうたいでケッコンすればいいか」 そんなことまで言い出すあたり、娘…

息子輸送

息子を輸送する回数が増えてきた。 在宅勤務をしている際、ハイハイを覚えた息子は私の元に近寄ってくる。食卓の下に入り込んでは、パソコンから伸びる電源コードを掴んで遊び始める。 当然危ないので彼をすぐにコードから引き剥がす。そして安全な子供部屋…

楽しみな今期ドラマ3選

今期ドラマの観る対象がだいたい決まってきた。 まだ全てを観たわけではないが、期待度の高いものから観ているので、だいたいは決まりであろう。一話を観ただけではあるのだが、それだけでもある程度は選別ができるものだね、と妻と話していた。 まず一番注…

プリンセス風

昨夜はカメラアプリで遊んでいた。 『ToonMe』というアプリで、人物の写真を取り込むと、ディズニー風のキャラに加工してくれる。 ちょっと前にテレビで取り上げられ、我が家でも少し遊んでいたのだが、そのときはサーバーが混雑しており思うようにできなか…

月と六ペンス

サマセット・モームの『月と六ペンス』を読了。「この作者は他の作品も読まなきゃならない」。この作品を半分ほど読み終えた私は、そんな思いに駆られ、すぐさま同じ訳者により手掛けられた2作品を注文した。モーム作品を読むのは初めてだったが、すぐさま彼…

飛沫をあげろ

眼下で娘が手を振っている。 私と妻もガラス越しに手を振り返す。ニッコリと笑った娘は前を向き、再びプールを見つめる。順番が回ってくる。彼女はプールサイドに立ち、大きくジャンプする。着水と同時に派手な飛沫が上がる。 娘がプールスクールを辞めたい…

むむむ

なんだこれ? たべれるのかな?はむはむ。 むりだった。かめないや。あじもへんだし。 あ、あれはどうだろ。 はむむ。こっちはかたい。あじがしない。 なにかたべられるものはないかなあ。 あれ、これなんだかはがせる。よしよし。 なんかやわらかい。かみや…

キッズルームでの交流

今日はリフレッシュ曜日。 在宅勤務を定時で上がると、マンションの1階にあるキッズルームに娘を連れて行った。 貸切を期待していたが先客がいた。ただ窓から覗く限りではその姿には見覚えがあった。扉を開くと娘を呼ぶ声があがる。やはり娘の同級生の家族で…

朝読書

在宅勤務の良さは数多くある。 その中でも、最もわかりやすいのは通勤時間がなくなることだろう。朝はゆっくりと起きられるし、仮に残業したとしても就寝時間に支障が出ない。 最近では仕事前に読書をするという優雅な朝を送っている。大好きなことで一日が…

月と太陽

「きょう、はやくかえってきてくれてありがと」 帰宅して顔を見るなり、娘からそのような感謝の言葉を浴びせられた。食事中の彼女はなにかを頬張りながらもニコニコと笑みを向けてくれている。 「これからも、ずっとはやくかえってきてねパパ。おねがいね!…

画用紙で人形作り

子供の応用力には感心させられる。 今日は娘と画用紙を使って遊んでいた。私がサイコロの展開図を描き、それを切って立体的に組み立てた。手作りのサイコロを使い、オリジナルの双六を作って遊ぼうと考えたのだ。 しかしサイコロ作りを興味深そうに見つめて…

座り上手

どうやら座るのにも上手い下手があるらしい。 そのことを息子を見ていて気付かされた。0歳の息子は床に座るのが上手だ。ものすごい安定感で、それが彼の基本姿勢となっている。 その座り姿は芝生に置かれたミニコーンのようだ。腰周りから足にかけての基礎部…

年中さん

娘は今日から年中さんだ。 進級式を終えた娘は、朗らかな笑顔を携えて帰ってきた。「何組になった?」と私は尋ねる。 「チューリップぐみ!わたしのいったとおり!」 少し前から娘が予想していた通りの組であった。たまたまだろうが娘は満足そうだ。そして制…

海辺のカフカ

村上春樹の『海辺のカフカ』を再読した。 読み返すのは大学以来だ。村上春樹Tシャツを買ったことで思わず読み返したくなった。実家にはハードカバーがあるが、今回は文庫本で買って読んだ。 この作品は私が村上春樹作品にのめり込むきっかけとなった作品だ。…

一年前と一年後

大阪の感染者数が悲惨なことになっている。 今週は火曜日以来ずっと在宅勤務だったので、渦中にいる感覚が薄れている。明日からも在宅の予定で、来週以降も今のところ出社の頻度は少ない。 今朝連絡があったところによると、同じフロアの隣の部門でもPCR検査…

飴と鞭と

年中さんを目前に控え、娘の行儀が改善しない。 食事時の振る舞いがいただけないのだ。食べるのが遅く、ほっとけば二、三時間も平気で食卓の席に座っている。手遊びをしたり、つど立ち上がったり。 妻とは長らくこのことを躾けようとあれこれ努めてきたのだ…

かたや主人公

お勤めを終え、帰宅する。 繁忙期が過ぎ去りまた頻度の減った出社日。たまにしかないので『お勤め感』が増す。参勤交代に向かう大名たちはこんな気持ちだったのかもしれない。 家では家族が笑顔で迎えてくれる。娘は早かったね、と喜びさっそく遊ぼうとせが…

ベランダで夜食

昨夜はベランダの芝の上で食事をした。 ポーチライトをつけ、夜風にあたり食べる夜食は格別に美味しかった。気候が暖かくなったおかげで、整備したベランダの出番がまた増えることだろう。 ベランダからは斜向かいのマンションの桜の木が見えるだけだったが…

のほほん

タピオカは美味しいよなあ。 タピオカを口の中でハムハムしながら、そんな能天気な感想を抱いていた。ゴンチャのタピオカは新鮮でプニプニしている。タピオカの新鮮さがなにをもって測るのかは知るよしもないのだけれど。 ベビーカーの上で先程までぐずって…

オールナイトニッポン暮らし

新しい年度が始まった。 それに伴い、日々聞いている大好きなラジオ『オールナイトニッポン』の番組ラインナップもマイナーチェンジされた。 私の中でも、これまでには聞く番組が徐々に変化していったのだが、今シーズンではついに月曜から土曜まで満遍なく…

浜風に吹かれて

海を越えると、何かを脱ぎ捨てた気持ちになった。 日々のしがらみは本土に置いていけばよい。そのような清々しい感覚に包まれながら、私は淡路島の地に車で降り立った。 娘の春休み中における最後の思い出として、今日は年休をとってお出かけをした。金曜日…