いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ガムボトルの差し入れ

仕事中、買い物から帰った妻が入室してきた。 すっとガムボトルが渡される。手に持ったのは学生のとに以来ではないか。訳を理解せぬままに受け取り、妻の意図を探りながらにお礼を口にした。 妻はあまり多くを語らず、部屋を後にした。私は手に持ったガムボ…

無垢の博物館

オルハン・パムクの『無垢の博物館』を読了した。ここ最近、西村賢太の私小説ばかりを読んでいたので、いったん感覚をフラットに戻すためにも長篇の海外小説を読んでみたくなったのだ。 西村の書くモノトーンな文章(それが氏の文章の魅力である)と比べると…

我が家の雛鳥

息子が口を大きく開けて身を乗り出す。 そこへ妻がスコーンを差し出すと、ガブラに噛み付いた。もぐもぐもぐ。口の中はすぐ空っぽになり、今度はこちらを向いて口を開ける。私は鍋のニンジンをスプーンで差し出す。 遅めの昼寝から目覚めた彼は、最初は不機…

夢のプランが水泡に帰す

今週末には格別のリフレッシュが必要と考えていた。 そのため早朝、家族が起きぬうちに目を覚ました私は、おもむろにスマホを操作し、今日のプランを練り始めた。未開拓なモノレール沿い、訪れたことのない遊園施設、京都の温泉宿などなど。思いつくがままに…

引きずる金曜日

週の最後の最後に嫌な爆弾が投下された。 仕事の話である。関与するひとつのプロジェクトに炎上の兆しが見えはじめたのだ。 序盤から想定外の要望をクライアントから受け取り、それを無理やりスケジュールに組み込み、なんとか騙し騙しやりくりしてきたのだ…

木村拓哉の仕事論

今日は久々に夕食前に仕事を終えた。 明日のクライアントミーティングの資料が、無事に完成したのだ。もうひとつのプロジェクトの課題表だけは整理を済ませ、今日はもう切り上げることにした。 妻には目処が立った昼過ぎに、早く上がれる旨を伝えていたので…

そんな仕事はありまへん

今日は妻が子供らを遊びに連れてってくれた。 仲の良い同級生家族と、カップヌードル工場見学などに行ったらしい。子どもらは満タンの笑顔で帰ってきた。自分らで作った世界に一つだけのカップヌードルを、さっそく夕食で食べていた(娘は口に合わずに残して…

もはや常連、採用面接

また採用面接官を務めた。もはや常連である。 秋頃に私が面接官を務め、採用に至ったメンバーも一月からは入社してきた。そして予定どおりに私の元で働いてもらっている。我が事としての意識は高まり、改めて採用の重要性を噛み締めるのだった。 今日の被面…

「だいびょうぶ」と「あぽぼ」

息子は私が痛がると心配を口にしてくれる。 「だいびょうぶ?」 神妙な口ぶりで、瞳はまん丸、幼児特有の潤みを帯びているのだが、問題なのは私が受けた痛みの与え手は、その息子自身なのである。 つまりは自分で私の顔面に(意図せずとはいえ)オモチャをぶ…

じゅんばん!

子供ふたりが仲睦まじくソファに座っていた。 その様子をキッチンから微笑ましく見守りながら、彼らの朝食の準備をしていた。午前中の光景である。 姉弟を与えられてよかった。いつもこんなふうに仲良くしてくれたらいいのに。そんなふうに和やかに眺めてい…

名もなき週末

週末になると娘は体調を崩しがちだ。 幼稚園で何かしらの菌をもらってきて、平日の蓄積した疲れも出てしまうのだろう。致し方ないとは思う。 今日も朝から微熱があり、本人はいたって元気だったのだが、大事をとって外出は控えることにした。この週末からま…

元上司とふたり飲み

今日は勤務後に元上司と梅田で飲んできた。 少し前にコンサルティング仕事のオファーをくれた上司だ。ビジネスの話はとんとんと進んでいるが、それは置いておいての完全プライベートでの飲みである。 普段はいかないような上品な居酒屋で2時間コース。少し時…

蛇口でぶしゃー

息子とふたり浴室で身体を洗っていた。 最近は空のペットボトルを持ち込んでおり、それに蛇口からお湯を注いでは、洗面器へとお湯を移して楽しそうに遊んでいる。 今日も私が身体を洗ってあげている間、いそいそとそのように遊んでいた。すると、ペットボト…

初蹴り

遅ればせながら、今年最初のリフティングをした。 年始以降、サッカーボールを持って外に運動にでる習慣が途絶えていたのだ。今日は予定していたタスクも早めに終わらせられたので、気分よく娘も連れてマンション前の公園に出かけた。 二週間ほどのブランク…

十社十色

当たり前の話だが、会社によって雰囲気は異なる。 コンサルタントになって、まだいくつかのクライアント企業を相手にしただけなのだが、それでも各社それぞれに違いを感じていて、そのたび新鮮さを覚える。 私たちコンサルに対しても、基本的には親切に接し…

おしゃべり小僧

息子がおしゃべりさんになってきた。 言葉を発するようになるのが遅かったのが嘘のようだ。日々、いろいろな言葉を我がモノにしており、起きている間は黙っている時間がほぼ無いくらいだ。 「ありがと」 「だいじょうぶ?」 「ごめん」 そんな日常会話はもち…

家族でカービィをする

サプライズで娘にカービィのゲームを買ってあげた。 幼稚園でもカービィが流行っているらしく、彼女も動画を見るたびに遊びたいと言っていたからだ。 本当はSwitchのソフトがいいのだろうが、うちは本体を持っていないのでWiiのソフトを中古で買った。 ただ…

初めての整体

数日前から首筋に炎症が起きていて連日頭痛だった。 昨日時点で流石にこれだと生活に支障がでると思い、今日の午前中に近所の整体を予約していた。普段の肩凝りとはレベルが違う。なんとしてでも症状を緩和したかったのだ。 先生に診てもらうと、長年の蓄積…

雨降りの帰宅

今日はクライアントとブレスト会議をした。 ブレストというのはアイデア出しをするための手法で、ホワイトボードに付箋紙を貼り付ける形式で今回は行った。普段の会議とは異なるため、弊社の特別な会議室にクライアント側メンバーをご招待しての形式で実施し…

こっきのえほん

娘が最近、国旗に興味をもっている。 最初のきっかけは、幼稚園の運動会に飾るため、クラスで国旗を描いたことだろう。その際、なんともなしにロシアの国旗を描いたのだが、その後、戦争をしかけた国だと知ってショックを受け、先生に頼み込んでカナダに描き…

痴者の食卓

西村賢太の『痴者の食卓』を読了した。引き続き西村作品を出版順に読んでいる。相変わらずタイトルに独特の味わいがあるなと感じる。 本作も私小説の連作短篇であったので、これまで読んだ時点からの続きを期待して読んだのだが、時系列がやや戻り、元恋人と…

4thプロジェクト

家族も無事戻り、今日から日常が始まっている。 娘の幼稚園も再開した。私の仕事も本日から本格的に再開され、4thプロジェクトの初回クライアントミーティングを含め、初日から濃厚な一日を過ごした。 結局は夜10時くらいまで働いた。やはり3つのプロジェク…

日常をお迎えに

朝までゆっくり過ごし昼から家中に掃除機をかけた。 洗濯機を回し、洗濯物を片付けた後、水回りを念入りに掃除した。最後に段ボールとゴミを出しに行き、準備が整う。見送ったときよりも迎えるさいを綺麗に。なんせ今日、家族が我が家に帰ってくるのである。…

無銭横町

西村賢太の『無銭横町』を読了した。引き続き西村作品巡りは続いている。出版順に単行本を読み進めており、今回は2015年出版作品。今作も私小説で、著者の分身である北町貫多を主人公とした連作短篇集である。 前作から時系列が続く物語も読め、ひとつひとつ…

THE FIRST SLAM DUNK

映画館で『THE FIRST SLAM DUNK』を観てきた。 前評判に違わない大きな感動が得られた。久々の映画館での映画鑑賞であったが、この作品を劇場で観られたことを幸運に思えた。 すべての映画が、本来であれば映画館で観ることがベストであるのだろう。ただその…

仕事始めとひとり暮らし

今日が2023年の仕事始めだった。 そちらは初日ということもあり、つつがなく終えられたのだが、本日起こったもうひとつの変化の方が私に与えた影響は大きい。妻が子供らふたりを連れて、遅ればせながらの帰省をしたのだ。 本来なら、年末に私も一緒に妻の実…

明日に向けての準備運動

本日から仕事始めに向けた準備運動を開始した。 朝から図書館へ赴き、午後からは子供らの本を買いに書店へと連れて行き、スタバで小一時間くつろいだ。 運動量にしてはほんの少しだったが、それでも丸二日間、家でぐうたらしていた身には堪えるようで、夕方…

ふしぎないきもの

今日も特に何もせずに家で過ごした。 平日ではできない、子供らと一日中いっしょに過ごすということをしていると、改めて子供らの可愛らしさを実感させられる。 自分の願望を真っ直ぐに求め、感情そのままに喜怒哀楽を表現する。6歳の娘と2歳の息子で、また…

やまいだれの歌

西村賢太の『やまいだれの歌』を読了した。 昨年の締めに続いて、今年の読み初めも西村賢太の作品であった。まだまだ彼の作品読破へと向けた道半ばにあるゆえ、しばらくはこれが続くものと思われる。 さて、本作は彼の初となる長編作品である。著者の経験に…

身体を休めるお正月

昨日の山登りの疲れが抜けない。 起床時にはすこぶる体調が良かったのだが、昼を過ぎたあたりから徐々に頭が重くなっていた。ゆえに、子供らは私が見守ることにし、妻ひとりで梅田の初売りに行ってもらった。 子供ふたりは元気なもので、家の中でパワフルに…