2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧
テントの中がサウナと化している。 髪の毛を濡らしていた水分たちが音を立てて蒸発している気がした。死。ぼやぼやしていると、自らに訪れるのはそれ以外の何物でもないと感じた。 テントから出ると、焼けたアスファルトをサンダルで踏みしめ、ふたたび歓声…
家に帰ると本と漫画が届いていた。 幸せだ。昨晩注文したばかりだというのに。漫画の方は今日が発売日なので、届くのは早くても明日以降かと諦めていたが、なんと当日に届いてくれた。 便利な世の中だ。もちろん本屋で買うのが一番好きなのだが、在庫がなか…
トルーマン・カポーティの『ティファニーで朝食を』を再読した。翻訳は村上春樹版である。 学生時代に読んで以来二度目だ。当時読んだ本は友人に貸したまま譲る形となった。手元になかったため今回改めて購入した。これは本棚に置いておきたいと思っていた本…
ワクチン副反応の峠は越えた。 朝起きた時点で37.5℃。普段の平熱よりは高いが、それでも地獄だった昨晩と比べると天国にいるような心地であった。 とはいえ、今日までは様子をみるため在宅勤務をした。昨日の分も取り戻せと、マックスで残業もこなした。仕事…
頭が割れんばかりに痛かった。 ワクチン2回目の副反応である。接種した翌朝で熱は38.2℃まで上がり、悪寒、頭痛、関節痛が激しかった。これだと仕事や食事もままならない。 同日に接種した課長も同様の症状で、あまりのキツさに午後から急遽年休をとっていた…
もはや死刑台に向かう気持ちだった。 もちろん大袈裟には言っているが、全部が嘘というわけではない。2回目の副反応は1回目の比ではないということは、世間でも言われているし、身近な例でも既に立証済みである。 とくに私は1回目の際にも3日間にわたって副…
飼っていたカブトムシがついに羽化した。 計6匹を育てていたが、結局大人にまで育ってくれたのは3匹のみであった。途中でお別れした幼虫たちは公園の土に娘と埋めにいった。 とはいえ幼虫から成虫まで育て上げたのは、私にとってもこれが初めての経験だ。日…
引き続き淡路島旅行。 高層階のオーシャンビューだったこともあり、カーテンをあえて全開にして寝ていたので、日の出の光にあたためられ、自然と目を覚ました。 時刻は6時前。窓から覗く海面がキラキラと輝いていて、目覚めから一瞬で心奪われた。結局そのま…
みなもは しずかに ゆれている。 くるぶしまでを海水にひたしながら、サンダルで波打ち際をゆっくりと歩いた。一歩踏みしめるたび足元では貝殻がそろそろとうごく。この砂浜にはヤドカリが多く生息しているようだ。 水は透きとおるほどに透明で、オレンジが…
妻にジュエリーを買ってあげたい。 ここのところしばしば沸き上がっている感情である。原因ははっきりとしている。出社が増えたことで通勤という行為が発生し、その中で多くの女性とすれ違う機会が増えたということだ。 すれ違う人を目で追ったり気をとられ…
ついに、ついに、始まる! 待ちに待ったオリンピック…ではなく4連休がだ!7月から激務続きだったので、夏休み前の良い中休みとして、この期間がくるのを待ち望んでいた。 連日の残業のおかげで、なんとか今日までに捌きたかった仕事をギリギリで終え、気持ち…
へとへとの日々が続いている。 現時点で入社以来、最高記録となる月の残業時間だ。とにかくハードだが感覚は麻痺してきている。 今の私が気にしていることは、いかに気持ちよく4連休に入れるどうかだ。いつぶりとなるかわからない楽しい予定を計画している。…
浴衣姿の娘が友達とはしゃいでいる。 今日は午前休をとって娘が通う幼稚園の夏祭りに来ていた。カンカン照りの下、立っているだけで汗が噴き出してきたが、綺麗に着飾った子供たちだけは誰もが元気だった。 コロナ禍でなければ丸一日の大イベントとなるらし…
まあん、まあん、まあん、まあん。 今のところ息子が話せる唯一の言葉である。私が同じように真似すると彼はニコニコ笑い、しばし会話を楽しむように繰り返し言い合いをするのだった。 その会話がひと段落すると、息子はつたい歩きで子供部屋のほうへと歩い…
ソファに寝そべり文庫本をひろげる。 足元のせんべい布団には息子が横向きにまるまり、すやすやと寝息を立てている。昨夜の熱もだいぶ下がり、症状にも快復の兆しがみえている。 家にいるのは私たちふたりだ。妻と娘はショッピングに出掛けた。妻も休日くら…
すべてを許してしまえる瞬間というものがある。 金曜仕事終わりがまさにその時だ。特に充実感に包まれながらの帰路はその極みにあるかもしれない。 妻から、お風呂前に子ども達ふたりが寝てしまったとの連絡がきても、でもまあ金曜日だ、とその後の寝かしつ…
人事異動で職場メンバが変わって半月。 いけすかない課長が同じチームにやってきて、高飛車な態度で早々に仕切り出したとここでも書いた。 もともと敵対していた組織から送り込まれた刺客だったということもあり、身内に敵が入り込んだと、やりづらさと憤り…
村上春樹と柴田元幸の対談模様を主として収録した『本当の翻訳の話をしよう 増補版』を読了した。 雑誌MONKEYや村上柴田翻訳堂シリーズの巻末に収録された対談もあったので、半分くらいは既読のものであった。ただ、改めて読み返してみても、このふたりの翻…
ベルトコンベアの前に立たされている気分だ。 そこに乗って運ばれてくる仕事を日々一生懸命に捌いているのだけれど、いつも捌いた以上の量の仕事が次から次に運ばれてきてしまう。 今日も「本日中にここまでやろう」と朝思っていたところまではなんとかやり…
会社での仕事中に妻から連絡がきた。 風邪をひいていた娘の熱が38℃台後半まで上がったとのことだった。すぐに電話をし詳しく聞く。昼寝の後から急にそうなったようで、さすがにしんどそうだということだった。 状況によっては夜間病院に行くこともあり得る、…
娘がまた幼稚園から風邪をもらってきた。 前の風邪がやっと完治したばかりだったのに。幼稚園という所はこのように風邪が循環するというが、典型的なパターンを踏んでしまっているようだ。 この週末でなんとか治したかったが、今夜時点で更に症状が悪化した…
剥げかけの皮がお尻部分に縮れてくっついている。 かごを持ち上げるとその振動に驚いたのか身体をゆさゆさと揺らした。かごを静かに置きじっくりと観察していると、身体の置き所を整えるため定期的にもぞもぞと動くことがわかった。土に埋もれた上半身を支柱…
なんとか今週のゴールテープを切った。 相変わらず問題と不安は山積みだが、とりあえず今だけは目を背け、来週の自分に託すこととした。 妻からは「今日、ケンタッキーにしない?」という高畑充希のようなLINEが届き、その非日常感のおかげで、私の頭は徐々…
柴田元幸の『翻訳教室』を読了した。 柴田が名誉教授を務める東京大学における翻訳の講義を収録した本だ。題材とされる作家の趣味も合い終始楽しく読めた。一方的な講義形式ではなく、生徒たちとのディスカッションがメインである。 驚いたのは生徒たちの質…
1年ぶりに織姫と再会した気分だった。 激務の今週。まえ二日は遅くまで残業し、家に帰り着くと既に娘は寝室で眠っていた。息子はママと一緒に起きていたので少しは触れ合えたが、娘とは一切接することができなかった。 そんななか、今日は七夕だということも…
デザートに果物がでると豊かな気持ちになれる。 子供の頃はそうでもなかった。しかし大人になってからというもの、徐々に果物の美味しさと贅沢さに気づかされていった。 今夜のデザートはデラウェアだった。残業から帰り、遅めの夕食を温めているときに、そ…
会社の福利厚生で人間ドックに行ってきた。 毎年恒例のことだが、今年はなんだか実施後にぐったりしてしまった。最後に受けた胃のバリウム検査が、まったくスムーズにいかなかったのである。 最初に服用する胃を膨らませるための顆粒がうまく飲み込めず、検…
我が家の電動自転車が2台になった。 息子も自転車のベビーチェアに乗せられるようになったので、家族4人で自転車移動が可能となり、2台目を購入したのだ。これで自転車でこれまで以上に遠出ができる。 我が家は車を所有していないので自転車が主力の移動手段…
なるほど、彼らはこんな気持ちだったのか。 カメラが向けられていない側の心境が知れたような気分だった。目の前では引きつづき煌びやかなメロディが鳴り、愛嬌たっぷり、見せ場満載の変身が繰り広げられている。 毎回聞いているのですっかり流れを覚えてし…
職場においてゲームチェンジが起きそうだ。 今日は久々に出社した。本当はまだ在宅勤務を続ける予定だったが、端末トラブルで前日からリモート接続ができなくなったのだ。ゆえに昨日は仕事にならず、打合せに参加したのみで業務を切り上げた。 久々の職場は…