いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

みんなでオモチャ王国へ

テントの中がサウナと化している。

 

髪の毛を濡らしていた水分たちが音を立てて蒸発している気がした。死。ぼやぼやしていると、自らに訪れるのはそれ以外の何物でもないと感じた。

 

テントから出ると、焼けたアスファルトをサンダルで踏みしめ、ふたたび歓声飛び交うプールへと向かった。娘は身体ほどもある大きさの浮き輪を両手でつかんでいる。水辺に近づくとそれだけで体温が下がるような気がした。実に涼やかだ。

 

娘が水に浸かり、妻がその後を追う。私は水着姿の息子を抱きかかえ、彼の足先を少しだけプールの水につけた。最初は驚き、声をあげたが、繰り返すうちに心地よさを覚えたのか、すんなりと受け入れるようになっていった。

 

私は浅い子ども用プールにそのまま腰を下ろし、目の前に息子を立たせた。水面を叩くとしぶきがあがり、それが顔に跳ね、少し驚いた表情を浮かべた。

 

今日は快晴の下、オモチャ王国を訪れていた。しかも仲の良い同期家族たちと一緒である。ゆるい集団行動をとり、基本は家族単位で動き、出くわすと一緒になって遊んだ。

 

娘の大好きな友人パパも来ており、終始デレデレしていた。プール遊びはもちろん、プールから上がっても、ゴーカートやその他のアトラクションにも一緒に乗り、まるでデートのように彼に甘えていた。

 

もちろんオモチャ王国の代名詞であるオモチャエリアも楽しんだ。プラレール館では子供たち皆が集まり、大きな線路を完成させ、色とりどりの電車たちをその上で走らせ遊んでいた。

 

暑くて、大変な面もあったのだが、それ以上に楽しい気持ちが大きく上回った。子供たちはもちろんのこと、おそらくはその場にいた大人たちも。

 

他の家族たちと別れてからは、家族で回転寿司を食べに行った。車で寝て回復した子供たちもパクパク食べてくれ、大満足の中で今日一日が締めくくられた。夏休み前にまたひとつ楽しい思い出ができた。

 

娘と一緒のお風呂場にて。

「今日の中でなにが一番楽しかった?」

 

「うーん…ぜんぶぅー!!」