いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

川遊びとスライダー

長いこと車を走らせ、じいじが川遊びへと連れていってくれた。水源に近い山奥の、水の綺麗なところだ。

 

川のほとりにテントを張り、水着に着替えると、私たちはさっそく川へと向かった。さすがは夏休み。辺りは子供連れの家族で溢れかえっていた。

f:id:pto6:20190812075834j:image

そこには自然の穏やかな河川と共に、人工的に整備されたプールもあった。石造りのウォータースライダーも設置されており、その前には子供たちが列を作っていた。

 

娘はその楽しげな様子を眺め、興奮した面持ちを浮かべていた。ただ、いきなりスライダーだと怖いだろうと思い、まずは奥にある浅瀬のプールに入りに行った。

 

水に足をつけると、娘はすぐに水温に慣れたのか、キャッキャと水しぶきを上げ、はしゃぎ始めた。ひとりでグイグイと進み、早くも別のエリアへと行きたがった。

 

次は娘の足がつかないところに行ってみた。娘にはエアージャケットをつけており、水に浮くようにしている。しかし手を離すと、娘は面白いくらいに怖がり私にすがってきた。さすがに足がつかないとまだ怖いようだ。

 

ただ、そろそろ頃合に思えたので、遂にスライダーへと行ってみることにした。最初は私が抱えて一緒に滑る。水の流れで勢いがあり、最後はバシャンと水が弾けた。

 

滑り終わった娘を足場へと引き上げると、顔がびしょ濡れになっていた。ドキドキしたのか顔が少し引きつっていた。しかし、その目はキラキラと輝いている。

 

「ぱぱ、もぅいっかい、しようよ!」

 

結局、娘はその後何十回もスライダーを滑った。途中テントに引き上げ、適宜休憩を挟みながらだが、最後にはひとりだけでスライダーを滑れるようにまでなった。

 

スライダーの他にも、自然の川を探索して生き物を探したり、ばぁばと手を繋ぎ岩場を歩いたりと、大自然の中でたくさんの思い出を作ることができた。

 

ただ、一番の思い出といえばコレだろう。妻たちが見知らぬ女性からいきなり声をかけられたのだ。彼女はとても言いづらそうに、私を指差し、こう言ったそうだ。

 

「ご家族の方ですか?あのかた、お尻が・・・」

 

彼女の指差す先には、丸出しのお尻があった。妻からの指摘でやっと気付いた私は、慌てて帽子で尻を隠し、テントへと逃げ帰った。ズボンはパックリと裂けていた。

 

スライダーを滑る方は、くれぐれもご注意を・・・。