いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

おしゃべり小僧

息子がおしゃべりさんになってきた。

 

言葉を発するようになるのが遅かったのが嘘のようだ。日々、いろいろな言葉を我がモノにしており、起きている間は黙っている時間がほぼ無いくらいだ。

 

「ありがと」

「だいじょうぶ?」

「ごめん」

 

そんな日常会話はもちろん。

 

「ぱぱ、だっこ」

「ぱずる、したい」

「まま、いっちゃった」

 

のような二語文もどんどん増えている。

 

お姉ちゃんともよく口喧嘩をしており、言い負けて帰ってくると、モヤモヤした感情をごにょごにょと言葉にならないまでも訴えてくる。

 

「お姉ちゃんがひどいんだ。ぼくが先にこれで遊んでいたっていうのに、いきなり横取りしてきて、返してって何度も言ったのに、全然返してくれないんだ」

 

おそらくはこのような内容のことを、涙を浮かべながら、一生懸命に伝えようとしてくる。きっと自分の語彙の少なさにもどかしさも感じているのだろう。そんなモチベーションもあって、日々言葉を習得しているに違いない。

 

夜は今でも男ふたりでリビングに寝ている。部屋を暗くして布団に寝そべると、彼は私の真横で顔を寄せ、寝るまでの間お喋りを仕掛けてくる。

 

「きったな!」

 

そして、私のザラザラの無精髭をおもむろに撫で回しては、そんなディスまでをもかましてくるのだった。