「ぱぱ、いかないで」
朝から娘が騒いでいた。昨夜帰りが遅くて、寝る前に娘と会えなかったからだ。
「ぱぱ、ずっといえにいて!」
困ったがとても嬉しかった。働かなくていいからずっと私と一緒にいて。向かう見ずな考えだが、そう思ってくれたことに情愛を感じた。
でもそんなわけにもいかない。会社よりも家庭の方に必要とされていたとしても、生活の為には働きに出なければならないのだ。
そんなわけで、後ろ髪を引かれながらに家を出た。吹き荒ぶ冷気に頭を叩かれながら、今日も電車に乗り、会社へと向かう。
木曜までくると、その週の終わりが見えてくる。頑張れるか?頑張れるに決まっている。